英紙ガーディアンがX利用を中止 米大統領選のマスク氏ら受け判断
英紙ガーディアンは13日、X(ツイッター)の公式アカウントへの投稿を中止すると発表した。同紙が懸念してきた極右による陰謀論や人種差別関連の投稿が多くなり、「ネガティブな面が利点を上回った。ジャーナリズムの資源は、もっと別のところに使う」と説明した。 【写真まとめ】トランプ氏が演説で「勝利宣言」妻や息子ら勢ぞろい 同紙は英与党の中道左派・労働党を支持するリベラル系の論調で知られ、米共和党のトランプ次期大統領に批判的なスタンスを取る。同紙はトランプ氏と親交が深いXオーナーの米実業家イーロン・マスク氏にも触れ「米大統領選を通じ、Xが有害なプラットフォームだと判明した。マスク氏がXの影響力を行使し、自身の政治的言説を作り出していることも浮き彫りになった」と指摘した。 これに対しマスク氏は「彼ら(ガーディアン)は卑劣なプロパガンダ機関だ」などと投稿した。 英国では7月末以降、中部サウスポートなどで「反移民」暴動が発生したが、背景にはイスラム教徒を巡るソーシャルメディア上での虚偽情報の拡散があるとされ、最近は英社会にX利用への警戒感が広がっていた。ロイター通信によると、既に一部の地方警察がX利用を中止したほか、慈善団体や医療・教育機関も相次いで投稿中止を表明している。 ガーディアン紙は記者個人によるXの利用は制限しない。ユーザーが同紙の記事をXで共有することも可能という。【ロンドン篠田航一】