ダニーの死を“自殺”として片付けるヴェローラム社…ピッパのスマホに隠された秘密が明かされる<WRECK/レック>
オンライン動画配信サービス「Hulu」にて、全話独占配信中のHuluプレミア「WRECK/レック」シーズン1。第2話ではピッパのスマホに隠された秘密を追い求めるジェイミー(オスカー・ケネディ)とヴィヴィアン(ザディア・グレアム)が描かれた。本記事では、第2話の内容を考察と共に振り返る。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】後ろ姿も恐ろしい…船内に佇む“刃物を持ったアヒルの着ぐるみ” ■「WRECK/レック」とは 本作は、主人公が“刃物を持ったアヒルの着ぐるみ”に追い回されるスラッシャーコメディドラマ。2022年10月にイギリスの「BBC Three」で放送され、批評サイトでオーディエンススコア96%という高評価を獲得している。 物語では、消息を絶った姉の真相を突き止めるべく、弟・ジェイミーが豪華客船「サクラメント号」に新人クルーとして乗り込み、真実を追い求めていく。 キャストには、主人公のジェイミー・ウォルシュ役を、イギリスで子役時代から活躍しているオスカー・ケネディが演じる。ジェイミーと同じ新人クルーで、何かと手助けをしてくれる同僚ヴィヴィアン・リム役には、ドラマ「ベイカー街探偵団」で探偵ビー役を演じたザディア・グレアムが抜擢されている。 また本作のクリエイター兼脚本家は、2023年に「世界を変える LGBTQ先駆者10人」の1人に選出されたライアン・J・ブラウン氏が担当。物語に盛り込まれた“多様性”にも注目だ。 ■副船長・カレンはダニーの死を「自殺」と告げる ヴィヴィアン(ザディア・グレアム)はスタッフ同士のパーティーに参加する中で、“ダニー(ジャック・ローワン)はピッパ(ジョディ・タイヤック)と別れてボロボロになった”という情報を得る。そこで“ピッパに執着して、自暴自棄になったから襲ったのでは?”と推測し、ダニーに真相を聞き出しに行こうとする。しかし副船長のカレン(ハリエット・ウェブ)がパフォーマーたちを劇場に集めるところを目にし、ジェイミー(オスカー・ケネディ)とヴィヴィアンもそっとついて行くことに。 カレンはダニーが亡くなったことをパフォーマーたちに伝えるのだが、「酒を飲みすぎて泥酔したダニーが煙突から自ら飛び降りた」とあくまでも自殺だったことを強調する。影からその話を聞いていたジェイミーとヴィヴィアンは、“ダニーがピッパの後を追ったかも”など様々な憶測を立てる。 パフォーマーたちは“ピッパの飛び込み”や“ダニーの死”と、立て続けの出来事に恐怖を感じていた。パフォーマーの1人・ハミッシュは、ソフィア(アリス・ノークス)に「僕らは抜ける、ドラッグは売らない」と訴える。 そして航海士のサム(ルイス・ボイヤー)に、“パフォーマーたちが怖がっていてドラッグ売りから抜けたい”という旨を伝えるソフィア。何でもフィリピンマフィアたちは、パフォーマーがクルーにもドラッグを売っていることに怒っているようで、自分たちに被害が及ぶ可能性を懸念しているのだ。 “恐い、助けてほしい”と訴えるソフィアに、サムは渋々「航海士たちに話そう」と了承するのだった。 ■ピッパのスマホにあった「魚のタトゥー」を探し回るジェイミーたち 失踪したピッパの行方を探るジェイミーは、ダニーの部屋の中で見つけたピッパのスマホの暗証番号を解除する。失踪した日のメールでピッパが「船を降りる。口止め料を」と送っていた事実と、魚のイラストのタトゥーの写真が見つかる。 そしてジェイミーとヴィヴィアンは、写真のタトゥーがダニーのものか確認しようと死体置き場に行く。いざ確認するとダニーの身体に“魚のタトゥー”はなかったものの、胸のあたりに“大きな刺し傷”があることに気づく。“これは自殺ではない”ととっさに悟った2人に、ジェイミーの友人・コーマックは「機関室にフィリピン人の彫り師がいるが、紹介者がいないと怖くて会いに行けない」と教える。 2人はオリー(アンソニー・リックマン)に頼み、オリーは2人を機関室に連れて行く。彫り師のベビーに魚のタトゥーを見せて誰の身体か尋ねるも、ベビーは“航海士の誰か”というだけで「白人は見分けがつかないから覚えていない」と話す。 そしてダニーの葬儀の日、ソフィアがひとり劇場へ行くと何者かに襲われる。近くにいたジェイミーがとっさに助けて犯人を追いかけるが、取り逃がしてしまう。その後エレベーターの中で目出し帽を脱ぐ犯人。そこで、正体がオリーであることが判明するのだった――。 ■オリーによる襲撃はフィリピンマフィアの指示? 新たな展開を迎えた第2話。ソフィアを襲ったオリーは、「フィリピンマフィアは賭けの胴元や雇われ殺人をしている組織で、階級の底辺にいる者同士助け合っている」と話しており、フィリピンマフィアの事情に詳しい人物として登場している。 そして“フィリピンマフィアはパフォーマーがクルーにもドラッグを売っていることに怒っている”とソフィアが話していたことから、オリーがマフィアに指示されてソフィアを襲った可能性が考えられる。 また魚のタトゥーについては、“白人航海士の誰か”ということがわかっており、今のところサムか、抜けたがっているソフィアに「勝手は許さない」と話すビーカーのどちらかだと推測できる。いずれにせよ、ピッパがその白人航海士と何らかの関係を持っていたことが伺える。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部