「零戦」にカリフォルニアで会える! 世界唯一「栄エンジン」搭載の動態保存された機体は一度は見るべし!【ルート66旅_60】
B-25ミッチェル爆撃機も健在
もうひとつは約1万機が生産された「B-25ミッチェル」。第二次世界大戦のアメリカを始めとする連合国で活躍した爆撃機であり、日本に対し初の本格的な反撃と言われる「ドーリットル空襲」を行ったのがB-25で、飛ばすイベントもドーリットル空襲が実行された4月18日に近い週末だった。 なおプレーンズ・オブ・フェイムが保有するB-25はエアショーでもよく見かけ、ネバダ州のネリス空軍基地では岩山をバックに激しい機動飛行を撮影できている。
ノースロップの全翼機N9MBは悲しい結末に…
ちょっと悲しい結末を迎えてしまったが、ステルス爆撃機「B-2」の開発にも貢献した、ノースロップの全翼機「N9MB」も見に行った。垂直尾翼どころか胴体もなく機体すべてが翼という実験機で、初飛行はまだ第二次世界大戦の真っ最中だった1942年。デザインから想像できるとおり操縦は難しく、また機械的な問題も色々と抱えていたようで、フライング・ウイングと呼ばれた計画は中止、N9MBも最後の1機を除き破棄されたという。 紆余曲折を経て1982年にプレーンズ・オブ・フェイムが入手し、1993年からエアショーなどを舞台にデモフライトが始まった。私が飛ぶ姿を撮影できたのは2017年11月4日のイベントで、機体そのものは格納庫で何度も撮影しているにもかかわらず、UFOを思わせる平べったいN9MBが大空を舞うシーンは圧巻。知らない人がこんなのを見たらUFOと勘違いしても不思議じゃなく、呆気に取られながらシャッターを切ったのを昨日のことのように思い出す。 もう一度どこかで撮影したかったN9MBだが2019年4月22日、プレーンズ・オブ・フェイムを離陸した直後に墜落し、機体は大破しパイロットも亡くなってしまう。 なおチノにはもうひとつの航空博物館「ヤンクス・エアミュージアム」があり、サンバーディから少し南に下れば「マーチフィールド・エアミュージアム」もある。どちらもルート66にほど近いロケーションなので、最後の寄り道スポットに次回で紹介してみたい。
佐藤 圭(SATO Kei)
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