国内最大級、最大75キロ積載の運搬ドローン開発 古河産業(東京都)とドローンワークシステム(福島県いわき市)
古河電工グループの商社古河産業(東京都)とドローン開発・運用を手がけるドローンワークシステム(福島県いわき市)は、国内最大級の積載量75キロを誇る運搬ドローンを開発した。山岳地帯への資材運搬や災害時の物資輸送に用い、作業の安全性向上と効率化につなげる。 古河産業によると、ドローンは全長3・3メートル。飛行時間は75キロを積んだ状態で8分、荷下ろし後に11分で、距離にして約8キロ飛行できる。1日の稼働で最大3トンを運搬可能で、4月から運用を始める予定という。 重量物を運ぶドローンは車両の入れない山岳地帯を主な活動場所に想定している。両社は2022(令和4)年から最大積載量49キロのドローンを使い、電力会社が送配電用鉄塔の保守点検に使う資材を運搬するなど実績を上げている。 能登半島地震では道路の寸断により多数の集落が孤立した。運搬ドローンはこうした孤立地域に救援物資を届ける手段としても期待が集まる。古河産業新規事業統括部門の劉鴻軒さんは「非常時も含めて広範囲でドローンが活動できるようにしていく」と話す。
15日、いわき市内にあるドローンワークシステムの工場で飛行試験を行った。災害時の物資輸送を想定し、飲料水が入った74キロの荷物をロープで吊り上げて約130メートル先の目的地に運んだ。同社の手島朋広社長は「実績を積み、ドローン輸送の信頼性を高めたい」と述べた。