名古屋市営地下鉄のエスカレーター、ポスターを貼って乗り方に変化が見られるか…大阪大の学生が調査「名古屋はマナーがすごくいい」【企画・NAGOYA発】
◇第35回「エスカレーターは『両側立ち』!! 名古屋スタイルを全国発信」その3 エスカレーターの片側を空ける乗り方が大都市を中心に定着している現実がある。それを打破しようとしているのが名古屋市だ。2023年10月に、事故防止を目的に立ち止まって乗ることが条例で義務付けられ、市内の駅構内などでも両側に並んで利用する姿が目立つようになってきた。有識者の一部では「名古屋スタイル」と呼ばれており、他の大都市もこれをお手本に取り組み始めているという。“名古屋発”の新たな行動規範が日本各地に拡散しつつある。(構成・鶴田真也) ◆エスカレーターの新スタイルを全国へ発信 NAGOYA発【動画】 ◇ ◇ ◇ 2024年12月3、10日には大阪大の学生らが名古屋市営地下鉄の久屋大通駅など3駅のエスカレーターの乗り口にポスターを貼って乗り方に変化が見られるかを調査した。 行動心理を利用して相手に気づかれないうちに選択を誘導する「ナッジ理論」に基づいた検証で、男性トイレの便器にハエのイラストや的のシールを貼ってあるのも同理論の一例で、的を狙う感覚で用を足して利用者の飛沫(ひまつ)を減らす効果があるという。 用意したポスターは3種類で「一緒に2列で乗りたい!」「名古屋のエスカレーター 歩いているのは14人に1人だけ」「9割立ち止まって利用しています」の文言がそれぞれ表示され、ポスターを表示しない駅を含めて利用状況を目視で人数を計測した。来年初めまでに調査結果をまとめ、名古屋市に提供する。 調査には大阪大で行動経済学を学ぶ学生8人が参加。岐阜県出身の山口夏七葉さん(23)=経済学部4年=は「名古屋は立ち止まっている人が多くてびっくり。マナーがすごくいい。大阪の人は歩く側に立ち止まると(背後で)舌打ちされることもあるので…」と違いを実感した様子だ。 ◇ ◇ ◇ ○…名古屋が発祥、由来だったという古今東西の事柄や事象を取り上げ、徹底した取材に基づいて歴史や秘話を深掘りする中日スポーツの異色の連載企画「NAGOYA発」が書籍化されます。発売は2025年4月の予定。 21年10月に始まった連載で第35回となる今回で一区切りとなります。書籍では、紙面やウェブサイトで紹介した数あるテーマの中から厳選し、今まであまり知られていなかった名古屋の魅力と秘密をたっぷりと掘り下げます。 問い合わせは中日新聞出版部=電話052(221)1714へ。
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