悠木碧、「妻、小学生になる。」で"推し"の平川大輔と共演に感激「社会人としても尊敬」
TVアニメ「妻、小学生になる。」(TOKYO MX、BS11、サンテレビ、AT-X)が、10月6日(日)より順次放送開始となる。 【写真を見る】「妻、小学生になる。」で声優を務める平川大輔と悠木碧 最愛の妻・新島貴恵(CV.悠木碧)に先立たれて10年。失意の日々を過ごしていた新島圭介(CV.平川大輔)と娘の麻衣(CV.野村麻衣子)のもとに、「自分は貴恵だ」とランドセルを背負った小学生・白石万理華(CV.悠木/一人二役)がやって来る。彼女の登場をきっかけに、圭介の時計の針が動き出して...。 村田椰融原作の同名人気コミックが、待望のアニメ化!期待が高まる本作について、平川と悠木が魅力を語ってくれた。 ーーすでに収録は終了しているそうですね。本作を走り切ってみて、現在どんな心境でしょうか? 平川「人ってもちろん1人で生きていくこともありなんだけど、『誰かとつながりを持つことって、とても楽しいことで、とても素晴らしいことで、とても素敵なことなんだよ』と押し付けがましくなく、提示してくれる作品だなと思います。でも、どんなに大切な人とも必ず別れがくるときがある。『そのとき、あなたはどう向き合いますか』と投げかけてくれるお話でもあるから、優しくて、厳しくて、でも優しくて...と親のような作品だと感じました」 悠木「いつかみんなが経験しなきゃいけない『しんどいこと』を乗り越えていくお話というか。人が『人の温度』によって、どう喪失から原動力に変換していくかの物語をやらせていただいた感覚です。すべての収録を終えたあとも、『見ず知らずの人に、勝手に愛情が湧くこの想いはなんだろう』、『普段はなかなか気付けないけど、私の中にも人間愛があったんだ』って気づけて...改めてすごい作品だなと思いましたね」 ーー演じられたキャラクターの印象や好きなポイントを教えてください。 平川「僕はあの年代まで生きてきて、性別、年齢、キャリアに関係なく、自分が例えば悪いことをした、もしくは相手が不愉快になることをしてしまったときに、素直に頭を下げて謝れるってすごいなと思うんです。それと同時に、強い人じゃないとそれはできないことだよな、と思うんですよね。本編で描かれてはいませんが、きっと圭介は、愛情深く大切に育てられていて、それを自分の娘にも、言葉ではなく態度で伝えられる人なんですよね」 ーーご自身で似ていると思ったところはございましたか? 平川「僕は彼ほど強くもないし、まっすぐでもないので、『圭介のようにありたい』とは思いますけど、性格的なところで似ている部分はないですね。せいぜい、パーマをかけずに髪を伸ばすと、彼みたいに真ん中分けになることくらいです(笑)」 悠木「傍から見ているとめちゃくちゃ近いですけどね!」 平川「そう?」 悠木「業界中から一番似ている人をお連れしたくらいに思っていました(笑)」 ーー悠木さんはいかがですか? 悠木「貴恵は太陽みたいな人で、チャキチャキしていて、誰かにしんどいことがあったら、すぐ自分でなんとかしようとしちゃう人。家族以外にも愛情を振りまくから、本当に素敵な女性だなと思うんですよね。愛情深いが故に、彼女自身もしんどい思いをすることがあるんですけど、それでも誰かを愛したり、誰かに期待したりすることをやめないって、めちゃくちゃカッコいいなと思います」 ーー貴恵と似ている部分はございますか? 悠木「身長ですかね(笑)。あと、ハッパのかけ方もすごく似ています。誰かが悩んでいるときに『しょうがないわよ!』って言えるあの瞬間、『ちょっと分かる』と思うんですよね(笑)。 自分が相手を大事に思っていて、相手にもそれが伝わっていることを前提にやるから、言葉が雑になるんです。あとで『パワフルに伝わったかもな...』と気づくところも共感できます」 ーー平川さんは、悠木さんと貴恵に通ずるものがあると思いますか? 平川「『大丈夫』と思わせてくれるパワーや温かみを感じる面は似ているなと思います。収録現場でも、みんなを後ろから抱えてくれているような安心感を感じましたし、貴恵にある『なんとかなるんじゃないか』と思わせてくれる空気を碧ちゃんにも感じましたね」 悠木「嬉しい...。平川さんはもちろん、皆さん優しくて、私としては『野放しにしてくれている』と思っていました(笑)」 ーーそんな悠木さんは、平川さんについてどんな印象をお持ちですか? 悠木「こうしてご一緒する前から役者として尊敬していましたし、いちオタクとしても推していたので、お芝居を受ける相手としていさせていただいて大感動でした。現場での立ち振る舞いを見ていると、圭介の人柄の理由がその隙間から見えるんですよね。(平川が声を吹き込むことで)圭介というキャラクターにどんどん説得力が増していくし、実際に『本当にこういう人いるよな』って感じるんです。あんなに優しい人に世界は優しくないから、辛くなっちゃうときもあるんだけど...だからこそ『圭介幸せになって~!』って感情移入しちゃう。貴恵が心配して戻ってきちゃう気持ちもめちゃくちゃ分かるんです(笑)」 平川「フフフ(笑)」 悠木「そんな圭介と同じく、『平川さんみたいないい人は幸せにならなきゃいけない』と勝手に思うくらいマジで全員に優しいし、めちゃくちゃ丁寧だし、その優しさが耳障りの良いものではなく、深いんですよね。一人の社会人としてもめちゃくちゃ尊敬しています!」 平川「ありがとうございます」 ーー収録現場での印象的な出来事を教えてください。 悠木「白石千嘉役の小島幸子さんが明るく盛り上げてくださって最高でしたね。千嘉自体の役はハードなシーンが多いんですけど、声を録り終えると『怖かったね~!』って反応されているのが、とても面白かったです(笑)」 平川「僕の水を飲むときの音について何か話していなかったっけ?」 悠木「私が耳をそばだてているのがバレてしまうのですが(笑)、平川さんの水を飲むときの音がマジで効果音なんですよ。超綺麗に『ゴクゴク』って音を出されるんです!」 平川「それを言われてから急に恥ずかしくなって。音が出ないように飲むには...とは思ったんですけど、結局ゴクゴク言わせて飲んでいました(笑)」 悠木「すみません(笑)!」 ーー貴恵が小学生の万理華となって新島家に戻ってくる本作。お二人は小学生時代どんなお子さんでしたか? 平川「低学年のときは割と前へ前への子だったっぽいんですよね。きっかけがあったのかは覚えていませんが、そこからどんどん消極的になって、貴恵と同じ年頃のときには、できるだけ目立たずに教室にいたい人でしたね」 ーー大人になった平川さんが、当時の自分に何か言ってあげるとしたら? 平川「『若いうちからコミュニケーション能力をつけることは大切だよ』と伝えたいですね(笑)」 ーー悠木さんはいかがですか? 悠木「恥ずかしながら分かりやすく『俺が俺がタイプ』で、『みんな!掃除の時間だよ!』ってハッパをかける小学生でしたね。今思い返しても恥ずかしいぐらい自己主張が強く、当時は男子にも女子にも友達がいて...いつこうなってしまったのか自分でもよく分からないのですが、割と気の強いよく喋る子でしたね」 ーー大人になった悠木さんが、当時の自分に声をかけるとしたら? 悠木「『ビニールプールは一年で捨てないと劣化するよ!』と言いたいです。一度、ちゃんと保管していなかったからか、大変な目にあったことがありまして...。小学生のとき、一年ぶりにビニールプールを出したら、ひどく劣化していて『うわー!』って慌てた思い出があるんです(笑)」 ーー最後に、改めて本作の注目ポイントを教えてください。 悠木「人の心を丁寧に描いていて、誰もがどのキャラクターにも共感できる素敵な一作です。これを観て『どう感じたか』ということが、今の自分を知る大きなきっかけになると思うので、ぜひ、自分が誰に何を思うのかを振り返ってもらいながらご覧いただきたいです。そうすれば、きっと『素敵なアニメ体験』をしていただけるのではないかと思います」 平川「とても笑えますし、泣けますし、エンターテインメントとしてもよくできている作品だと思うんですけれど、それと同時に残酷な現実を突きつける作品でもあると思うんですよね。ご覧になる方々それぞれで受け取り方が違うのではないか、と思うので、そのときに感じた感情を大事にしていただきたいですし、碧ちゃんも言ったように、この作品から何を感じたのか、改めて自分の中でも思い返していただけたら嬉しいです」 取材・文=浜瀬将樹 撮影=MISUMI
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