自民・離党勧告の塩谷氏、進退「後援会とも相談」 弁明書で党執行部批判【弁明書要旨付】
自民党は4日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、関係議員ら39人の処分を決めた。安倍派の衆院側、参院側でトップだった塩谷立(衆院比例東海)、世耕弘成両氏を離党勧告とし、同派幹部を務めた下村博文、西村康稔両氏に党員資格停止1年、高木毅氏に同6カ月を科した。宮沢博行氏(衆院比例東海)は処分対象にならなかった。 安倍派の座長を務め、党から離党勧告処分を受けた塩谷立氏(衆院比例東海)は4日、国会内で記者団の取材に応じた。進退の言及は避け「まずは処分について(党から)説明を聞き、地元の後援会とも相談する必要がある」と述べた。党紀委員会に提出した弁明書では、党執行部を批判し「到底受け入れることはできない」とも訴えていて、今後は不服申し立てなどを検討するとみられる。 処分は、党紀委員会終了後に党からメールで伝えられた。塩谷氏は「非常に厳重な処分で、残念だと思っている」とする一方、これまでの党の聴取や国会の政治倫理審査会(政倫審)の場で「知りうる限りの事実を、正直に話してきた」と主張。「国民に不信感を与えた責任は重く受け止めているが、党が事実関係をどう判断し、どういう基準で(他の議員との)処分の違いが出ているのかを聞きたい」と不満をにじませた。 弁明書には、岸田文雄首相(党総裁)の「道義的・政治的責任も問われるべき」と書いた。その理由を問われると「今回、問題のあった派閥で同じような立場にいた人は、それぞれ同じように処分を受けることが公平だ」と指摘した。 ◆塩谷立氏が自民党党紀委員会に提出した弁明書要旨 ・処分における公平かつ透明性のある基準、理由は不可欠。地元支援者に説明責任を果たすためにも明確な開示を求める ・私自身、還付や不記載を画策したり、主導したりしたことはない ・還付分について長年不記載の既成事実を重ね、是正できなかったことは猛省している。しかし、清和研(清和政策研究会)が組織的に不適切な政治資金を調達していたかのような事実は一切ない ・まるでスケープゴートのように清和研の一部のみが、確たる基準や責任追及の対象となる行為も明確に示されず、不当に重すぎる処分を受けるのは納得がいかない。到底受け入れることはできない ・独裁的、専制的な党運営には断固として抗議する ・国民の政治不信は党全体に向けられている。党としての責任、さらには清和研と同様、関係者が起訴された総裁派閥を率いてきた岸田総裁の道義的、政治的責任も問われるべき
静岡新聞社