4月9日は「子宮の日」毎年3000人死亡の子宮けいがんは予防できる?
4月9日は『子宮の日』、子宮を守ることを考える日です。日本で子宮けいがんと診断される女性は、20歳代から40歳代を中心に毎年1万人以上、毎年約3000人が命を落としていることを知っていますか? 幼いこどもがいる女性が亡くなることも多く、子宮けいがんは「マザーキラー」とも呼ばれています。産婦人科医らのグループは、子宮けいがんは、ワクチンを打つこと、定期検診で早めに異変を見つけることで防げると知って欲しいと訴えています。 4月9日、東京・渋谷駅前で、産婦人科医と俳優の宮地真緒さんらが色とりどりのステッカーを配りました。ステッカーには「知るという、がん予防」と書かれています。 子宮けいがんで若い女性が命を落としたり、子宮を失ったりしていること、そして、それを防ぐためのワクチンがあることなどがあまり知られていない現状に、医師らが危機感を覚え、「まずは知って欲しい」と訴えました。 宮地真緒さんは、所属事務所の社長が子宮けいがんを再発して現在闘病中で、少しでも役にたちたいと、このキャンペーンに参加しました。
厚生労働省によりますと、日本では、20歳代から40歳代を中心に、毎年およそ1万人が子宮けいがんと診断され、毎年およそ3000人が亡くなっています。国立がん研究センターによると、25歳から40歳の女性のがんによる死亡の第2位は、子宮けいがんによるものです。 また、30歳代までにがん治療で子宮を失う女性は毎年約1000人。命が助かっても、こどもを産めなくなる上、手術後、排尿障害や足のむくみなどに悩む女性も多くいます。
■子宮けいがんとは…
子宮けいがんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)を持つ人との性行為(セックス)により、子宮の入口に近い子宮けい部(子宮体部とちつとの間)が、ヒトパピローマウイルスに感染することだと言われています。(お風呂やプールでは感染しないとされる) このウイルスはありふれたもので、実は、女性の多くが一生に一度はこのウイルスに感染しますが、ほとんどの場合、自然に消えるということです。 しかし、ごく一部の女性では、感染した状態が長期間(数年から十数年)続くことがあり、がんの前段階(子宮けい部異形成)になることがあります。その段階では「経過観察」することになり、自然に治る場合もありますが、中には、さらに進んで、子宮けいがんになる場合もあるということです。 ヒトパピローマウイルスには、200種類以上の型があり、そのうち、子宮けいがんの原因となるのは、約15種類(16型、18型など)。がんの前段階になった場合に自然に治る割合は、ウイルスの型や女性の年齢などによるということです。 子宮けいがんは初期の頃にはほとんど症状のないことが多いものの、生理のとき以外の出血や性行為による出血、おりものの増加などが見られ、進行すると下腹部や腰の痛み、血の混じった尿が見られることもあります。このような症状が見られた際には、医療機関を受診するよう呼びかけられています。