細身のエースが大仕事 永野が呼び込んだ倉敷商8年ぶりの甲子園白星 交流試合
◇永野司投手(倉敷商・2年) 2020年甲子園高校野球交流試合は第4日の15日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、倉敷商(岡山)が仙台育英(宮城)を6-1で破った。 【写真特集】仙台育英vs倉敷商 身長172センチの左腕が大きな仕事を成し遂げた。倉敷商の「背番号1」を背負う2年生の永野。四回途中から2番手として救援すると、緩急自在の投球で、無失点で仙台育英の強力打線を抑え、逆転勝ちを呼び込んだ。 0-0で迎えた四回無死二塁でマウンドへ。6番・向坂に適時打を許したが、バックの好守もあり、最少失点で切り抜けると勢いに乗った。110キロ台の緩い変化球と、130キロ台前半ながら切れのある直球を同じ腕の振りから繰り出し、相手打線に的を絞らせない。六回にはプロ注目の4番・入江に対し、スライダーと直球で追い込み、最後は外角に沈む変化球で空振り三振に仕留めた。82球の熱投で失点を防いだ。 打撃でも1点リードの六回2死三塁、甘い変化球を力強く引っ張って右前適時打として、相手左腕の向坂にバットでお返し。攻守にわたる活躍で、昨夏の甲子園で8強入りした仙台育英に快勝する原動力になった。 地元・岡山県倉敷市出身で、中学時代は硬式クラブチームの倉敷ビガーズヤングで投手として活躍。高校でも昨秋からエースナンバーを背負うと、この日も先発した3年生右腕・福家からの継投による勝ちパターンを確立させ、昨秋の中国大会優勝に貢献した。体重59キロと線が細く、食べる米の量を3倍にして体作りに励むが「食べても太れない体質で悩んでいる」。それでも、体格の良い仙台育英の各打者に最後まで仕事をさせなかった。【石川裕士】