【何観る週末シネマ】激戦のK-POP市場で成功、エスパをデビュー当時から密着『aespa: MY First page』
この週末、何を観よう……。映画ライターのバフィー吉川が推したい1本をピックアップ。おすすめポイントともにご紹介します。今回ご紹介するのは、現在公開されている『aespa: MY First page』。気になった方はぜひ劇場へ。 【写真】瞬く間に世界的人気グループになったaespa【3点】 〇ストーリー パンデミック下の2020年11月17日に、『Black Mamba』でデビューしたaespa(エスパ)は、 KARINA(カリナ)、GISELLE(ジゼル)、WINTER(ウィンター)、NINGNING(ニンニン)の4人組グループ。メンバーそれぞれに、“もう一つの自我として”のアバターが存在するという近未来的な世界観や、圧倒的なビジュアルで、日本でも爆発的な人気を獲得し、昨年8月には、海外アーティストとして最速となるデビューから2年9ヶ月で東京ドーム公演を成功させた。今年に入ってからも、メジャーリーグ開幕戦での圧巻のパフォーマンス、初のフルアルバム『Armageddon』の発売、切望されていた日本デビューも果たし、さらに、日本でのツアー全公演完売など、勢いはとどまることを知らない。そんな彼女たちをデビュー当時から密着した貴重なドキュメンタリー。 〇おすすめポイント 今や世界的なコンテンツとなったK-POP。常に新たなグループを作るためのオーディションが行われており、それもリアリティ番組として放送や配信されている。そのメソッドというのは、韓国内だけには留まらず、世界各国からK-POPに寄り添ったグループを結成させる流れも作り出した。 また世界市場を視野に入れていることもあり、例えば”X:IN”や” BLACKSWAN”といった、韓国人だけではなく、インド系やヨーロッパ系のメンバーも多国籍グループが続々と誕生。世界に受け入れられるために他国の音楽性も積極的に取り入れるなど、世界規模で常に進化し、常にエンタメの最前線にあり続けるK-POP市場。 そんなK-POP市場の基礎を作ったのが、東方神起や少女時代を生み出した芸能プロダクション”SMエンターテインメント”。ロサンゼルスには、SM Entertainment Squareと名付けられた交差点もあるほど。 そこから誕生する新グループということで、2020年のデビュー当時どころか、デビュー前から注目されていたのが” aespa”である。 しかしaespaがデビューしたのは、コロナ過の真っ最中。無観客ライブが当たり前など、なかなかアウェーな環境下でモチベーションが保てるか心配されたが、メタバースとのフュージョングループというコンセプトも助けとなり、現在の地位を確立。今や韓国だけではなく、アジアやヨーロッパでも人気のグループとなった。そのなかでも、アメリカ人気は非常に高い。 もともとアメリカでは”BLACKPINK”が爆発的人気。レディ・ガガやセレーナ・ゴメスともコラボするなど、K-POPガールズグループ市場が確立されていたこともあるが、それだけでは類似グループとして扱われてしまう昨今。 一見、華やかに見えても常に他のグループと闘い、独自性を築かなければ生き残れない。それはNetflixの「ポップスター・アカデミー:KATSEYEになるまで」やApple TV+の「K-POPアイドル」といったドキュメンタリーを観ても感じるはずだ。 今作は、そんな激戦区に飛び込んだaespaをデビューから密着し、栄光を勝ち取っていく骨太で貴重なドキュメンタリーであり、何よりaespaのメンタルの強さが浮き彫りにしている。 それでいて、単なるドキュメンタリーではなく、ライブ映像やミュージックビデオもしっかりと見せることで、aespaというグループを全く知らない人にとっても楽しめるエンタメ映画としても構成されているのだ。 (C)2024 SM ENTERTAINMENT CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED. 〇作品情報 キャスト:KARINA(カリナ)、GISELLE(ジゼル)、WINTER(ウィンター)、NINGNING(ニンニン) 監督:キム・ジソン、チョ・ヒョンジョン 提供:KDDI 配給:日活/KDDI 2024年/韓国/110分/字幕翻訳:根本理恵 8月30日(金) TOHO シネマズ日比谷ほか3週間限定公開
バフィー吉川