福島愛育園に瓜生岩子賞 児童養護施設運営、3200人超養育
福島県社会福祉協議会は7日付で、社会福祉に功績のあった県民を顕彰する第32回瓜生岩子賞の受賞者に、児童養護施設などを運営する社会福祉法人福島愛育園(福島市)を選んだと発表した。14日に郡山市で開かれる県社会福祉大会で表彰する。 福島愛育園は、瓜生岩子の主唱で1893(明治26)年2月に設立された「福島鳳鳴会」が前身。人には皆、他人の不幸を平気で見ているには耐えられない心があるという意味の「仁慈隠惕(じんじいんてき)」の精神を受け継ぎ、130年余りの歴史を刻み、社会情勢の変化に対応しながら3200人超の児童を養育してきた。 1962年に児童養護施設の福島愛育園を現在地に新築移転し、84年には保育園を開設した。 近年は市内の2カ所に地域小規模児童養護施設を開設するとともに、学童保育の運営、子育てが困難な家庭への支援や一時預かり、里親支援などにも力を入れている。 ◇ 吉岡棟憲理事長 誇りにする創設者「瓜生岩子」の冠がついた賞をいただけるのは最大の栄誉。どんなに世の中が文化的になっても、家庭環境が良くならない人はたくさんいる。これからも「仁慈隠惕」の精神を指標に、子どもが立派な社会人になれるよう努めていくことが使命であり、瓜生岩子さんへの恩返しにもなる。
福島民友新聞