中国経済、輸出も鈍化傾向に…追加の景気刺激策は米大統領選の結果待ちか(海外)
中国の2024年9月の輸出成長率は鈍化し、将来の経済安定の懸念が高まっている。 この鈍化の原因は外部需要の減退と物流の混乱にあると考えられている。 中国はアメリカ大統領選挙を前に、関税の影響を考慮し、追加の経済刺激策の実施を遅らせる可能性がある。 中国経済はここしばらくの間、好調とは言えない状況が続いている。そのような時、この製造大国は常に輸出に頼ってきた。 現在、2024年11月に行われるアメリカ大統領選挙を前に、そうした輸出製品が危機に瀕している可能性があり、選挙戦の結果によっては、さらに打撃を受けるかもしれない。 2024年10月14日に発表されたデータによると、中国は9月に3037億ドル(約45兆2534億円)相当を輸出しており、前年同月比で2.4%増加したという。ロイターの調査では、エコノミストは2024年9月の中国の輸出は、前年同月比で6%増加すると予想していた。 この伸び率は過去5カ月間で最も低く、2024年8月の8.7%から大幅に鈍化した。 中国の輸出は日本向けと韓国向けの輸出が前年割れとなるなど軒並み減速した。アメリカへの輸出は2.2%増え、EU向けの輸出は1.2%増にとどまった。 鈍化の原因は外部需要の減少に起因しているとエコノミストたちは指摘している。 10月14日の記者会見で中国税関総署の呂大良統計分析司長兼報道官は「輸出成長の鈍化は、悪天候、物流の混乱、2023年からの高水準によるもの」だと述べた。 野村証券のエコノミストは「それでも鈍化の規模は予想より明らかに大きかった」と述べている。
中国はすでに消費者信頼感の低下に悩まされている
中国の2024年9月の輸出統計は、消費者の信頼感が低下しているために懸念すべき内容となっている。しかし、海外からの堅調な需要に支えられて輸出は増加している。 世界第2位の経済大国である中国は、現在、不動産危機、若者の失業率の高さ、そしてデフレーションなどいくつもの逆風に直面している。2024年9月のデータは、さらなる障害が待ち受けている可能性を示している。 「1カ月のデータだけではトレンドは示せないが、輸出の低迷が続くということは、中国が国内需要の低迷に対する重要な緩衝材を失いつつあることを意味している」と2024年10月14日、BofAセキュリティーズのエコノミストは述べている。 中国の2024年9月の輸入は予想を下回り、前年同月比でわずか0.3%の増加にとどまった。この数字は2024年8月の0.5%増を下回っている。 中国の輸出の減少はアメリカ大統領選挙の数週間前という悪いタイミングに重なった。 共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領は2024年2月、「選挙に勝てば中国に60%以上の関税をかける」と発言した。 2024年だけでもアメリカと欧州連合(EU)は、電気自動車(EV)などの中国からの輸入品に対する関税をすでに引き上げている。欧米は、中国のダンピングや不当な貿易行為が自国の経済に打撃を及ぼしていると主張している。一方、中国政府はこの見方を否定し、「西側諸国の非難は保護主義的であり、中国の経済成長の抑え込みを目的としている」と述べている。 エコノミストたちは、5%前後を目標とする2024年の経済成長率を支えるため、中国政府がさらなる施策を展開すると予想している。政府は2024年9月下旬に積極的な金融刺激策を発表したが、多くのアナリストたちは中国の厳しい経済を支えるには不十分だと述べている。
Huileng Tan