ウクライナ侵攻に衝撃…絵本作家、最後の1ページに込めた願い 顔のない、〝シルエット〟の子どもたち
つらいニュースにめげてはいけない
「子どもの十字軍」は、子どもたちの悲惨な運命とともに締めくくられますが、「どうしてもそこで終わらせられなかった」と、はらださん。そして、「子どもたちをもっと明るい世界に」という「願い」を、ウクライナカラーを意識した最終ページに込めた、といいます。 「死と憎しみが日々の空気を侵食してゆくなかで、私たちは『記憶』とともに希望や憧れを語り続けなければならないと考えています。たとえそれがほのかな明かりにすぎなくても」 今回出版された絵本の表紙には、広島市の「原爆の子の像」に捧げられた折り紙をよみがえらせた再生紙「平和おりひめ」が使われています。 時代を超えてブレヒトの詩を現代につないだはらださん。さらに未来への希望を語ります。「戦争のない世界を求めて子どもたちが旅をしていますが、この中に大人の私たちもいると思います。つらいニュースにめげてはいけない。平和な世界を信じて、美しい夢を大切に、心にほほえみを絶やさないよう、生きていかなければ、と思います」