時計をはじめ、アロマグッズや工芸品などの県産品が並ぶＫＩＲＡ

　福島県南相馬市小高区のＪＲ小高駅前で、休業していた店舗が１日、県産工芸品などを扱うギフトショップ「ＫＩＲＡ（キラ）」として新装開店した。市内小高区の時計メーカー「Ｆｕｋｕｓｈｉｍａ　Ｗａｔｃｈ　Ｃｏｍｐａｎｙ」が運営する。代表の平岡雅康さん（４５）は「市内外の人が集まる場所にしたい。気軽に立ち寄ってほしい」と話す。 　店は小高駅近くで、双葉屋旅館の隣にある。時計メーカーの腕時計の他、アロマや漆器、陶芸品など県産品が５０種ほど並んでいる。 　震災前はみそやしょうゆを扱う商店の倉庫だった。東日本大震災と東京電力福島第１原発事故に伴って避難指示区域となり、解除前の２０１５（平成２７）年１月に旅館のおかみ小林友子さん（７１）が地場産品のアンテナショップ「希来（きら）」を開いた。県内外の人に小高を伝える場所として住民が仮設住宅で作ったアクセサリーなど手作り品を置いた。交流拠点の役割も果たした。

　解除後の２０２１年、住民が楽しめるようにと、花やお茶を扱う雑貨店「ＫＩＲＡ」に。昨年３月、人手不足のため休業した。 　平岡さんはさいたま市から移住し、２０２２年に時計メーカーを設立した。小高をモチーフにした腕時計などを手がけ、インターネットで販売している。「商品を見たい」との要望も多かったことから、店舗としてＫＩＲＡを受け継ぐことを決めた。今後は店内でのお茶の提供をはじめ、ワークショップの企画などを考えているという。 　小高駅付近には昨年から新たな店舗が増え、にぎわいが生まれつつある。平岡さんは「駅から最も近い一等地で責任感ある場所。長く続けて人の流れを生み出し、小高をいい方向に進めたい」と意気込む。 　ＫＩＲＡの住所は南相馬市小高区東町１の３７。午前１０時から午後６時。火曜定休。