8億円超の軍事パレード…上気した尹大統領は「北朝鮮政権の終わり」を叫んだ
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が1日、国軍の日の記念式典で、「北朝鮮が核兵器の使用を企てるなら、その日がまさに北朝鮮政権の終わりの日になるだろう」と述べた。韓国軍は同日、「軍事独裁時代の遺物」という批判の声が上がるなか、1987年民主化以後初めて2年連続となる国軍の日記念軍事パレードをソウル市内で行った。サングラスをかけて査閲した尹大統領は、上気した表情で何度も拳を握りしめた。 尹大統領は京畿道城南(ソンナム)のソウル空港で開かれた国軍の日の記念式典を主宰し、「北朝鮮政権は依然として退行と没落の道に固執している。権力世襲だけを追求し、住民の悲惨な暮らしには背を向け、核とミサイルで我々を脅かしている」と述べ、北朝鮮への強硬対応方針を表明した。記念式典には尹大統領夫人のキム・ゴンヒ女史も出席した。 昨年の記念式典で「北朝鮮が核を使用した場合、韓米同盟の圧倒的な対応を通じて北朝鮮政権を終わらせる」と述べた尹大統領は、今年も「北朝鮮政権の終わりの日」など荒々しい言葉を使って「金正恩(キム・ジョンウン)体制」に狙いを定めた。この過程で「(北朝鮮が最近は)『敵対的な二つの国家論』を主張し、統一まで否定している」として、強硬になった北朝鮮の雰囲気に触れた。そのうえで「韓国政府は堅固な韓米同盟のもと、韓米日安全保障協力をより一層強化し、国際社会と緊密に連携することで、韓国の安全保障態勢をより強力で確固たるものにしていく」と強調した。 午後には、ソウル崇礼門(スンネムン)から光化門(クァンファムン)まで続いた軍事パレードも主管した。2013年以来中断された軍事パレードを昨年に続き2年連続施行したもので、全斗煥(チョン・ドゥファン)新軍部が統治した第5共和国以来初めて。 国軍の日の行事には79億ウォン(約8億7千万円)の予算が投入された。昨年は99億ウォン(10億7千万円)が費やされた。3千人を超える将兵が動員されたこの日の行事に対し、「参与連帯」や「戦争のない世界」など市民団体は論評を発表し、「軍事独裁時代に権威主義的発想で企画された軍事パレードで予算の無駄使いと市民の不便を招いた」と批判した。 軍事パレードに先立ち行われたカーパレードには、朝鮮戦争参戦勇士のリュ・ジェシクさん、北朝鮮の木箱地雷で両足を失ったハ・ジェホン中佐など有功者と遺族8人も参加した。彼らはカーパレードの後、尹大統領とともに光化門の世宗大王像の前に設けられた舞台に上がった。続く軍部隊のパレードには、装甲車などの軍用車に搭乗した将兵の家族も参加した。尹大統領はパレードが終わる頃、大型の太極旗を掲げて終着地点の光化門の月台(ウォルデ)まで行進した。 尹大統領一行が月台に到着すると、空軍特殊飛行チーム「ブラックイーグルス」が記念飛行を行い、風船を付けた大型の太極旗が光化門上空に浮かび上がった。大統領室は、朝鮮戦争開戦直後に北朝鮮に奪われたソウルを1950年9月28日に海兵隊が奪還して太極旗を掲揚した場面を再演したものだと伝えた。尹大統領は壇上を囲んで列を作った将兵たちに向かって、「国軍統帥権者として将兵の皆さんを無限に信頼し、国民とともに力いっぱい応援する」と拳を振り上げた後、会場を後にした。 イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )