中村さんの功績、次世代に 母校展示「行動力感じて」
アフガニスタンやパキスタンで医療や農業支援に尽力し、2019年12月に銃撃され死亡した医師の中村哲さんの活動を収めた写真展が、母校九州大の病院キャンパス(福岡市)の医学図書館で開かれている。ハンセン病治療にも携わった中村さんが、特有の症状に苦しむ患者のために製作したサンダルも展示。担当者は「人に尽くし、行動力あふれた姿を感じてほしい」と話している。 中村さんは九州大医学部出身。用水路や井戸の建設を後押しした晩年の活動が広く知られているが、医学図書館での開催にちなみ「医師としての足跡」に焦点を当てた。屋外でエックス線写真に目を凝らし、白衣や手術着で手術に取り組むなど、医療支援に奔走する姿を捉えた写真を中心に70点以上を展示する。 中村さんが治療を支援したハンセン病は、手足の感覚が低下するのが症状の一つ。気づかないうちに足にけがを負うことがある患者のため、現地に工房を構え、足を守るサンダルを製作した。
入場無料。展示は10月末まで。8月15日までは夏季休館。