【緊急フォトレポート】世界で起きる洪水! 干ばつ! 氷河融解!「超温暖化」で地球が壊れかけている
鮮やかなサンゴの周囲を、優雅に泳ぐカラフルな熱帯魚――。 上に掲載したのは、沖縄や南国リゾート地の海中写真ではない。撮影されたのは東京湾内の画像だ。千葉・勝山にある『かっちゃまダイビングサービス』代表の魚地司郎(うおちじろう)氏が語る。 【画像】洪水、干ばつ、氷河融解… 世界各地が深刻被害「衝撃の現地写真」 「南方系のエンタクミドリイシなどの造礁性サンゴが、東京湾で急激に生息範囲を広げています。以前から南国の魚は8~10月頃に回遊していましたが、冬を越せずに死滅していた。しかし今は、冬でも死ななくなり『死滅回遊魚』から『季節来遊魚』と呼び方が変わったんです」 東京湾で南方系のサンゴや魚が激増した理由は温暖化だ。米国海洋大気局によると世界の海面温度は12ヵ月連続で最高記録を更新。日本の生態系を激変させている。気候変動に詳しい、三重大学生物資源学部の立花義裕教授が解説する。 「これまでも海水温は上昇していましたが、昨年夏頃から今までに経験したことのない上がり方をしています。インド洋も地中海も上昇するなか、最も高いのが日本近海。平均で7℃近く上昇しているんです。原因は猛暑と、日本南岸を流れる黒潮が北海道の近くまで上がったことでしょう。北海道でサンマが獲れなくなったのは、その影響だと思います」 異常な状況にあるのは、もちろん日本だけではない。地球規模で深刻な被害が出ている。「超温暖化」により大気が多くの湿気を含んだため、ロシアやアルゼンチン、ブラジルなどで世界同時多発的に″殺人豪雨″が発生しているのだ。 「アフリカのケニアでは、3月に首都ナイロビで1週間に305㎜もの大雨が降り、ダムの決壊などで230人近くが亡くなり70人以上が行方不明になっています。中国南部・広東省では4月からの1ヵ月間で432㎜の豪雨に見舞われ、洪水や高速道路の崩落により約50人が死亡。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでは4月に、24時間で平年の4倍以上となる34㎜の雨が降り注ぎ20人以上が命を落としました」(全国紙外信部記者) 世界気象機関によると’93年から’02年までに海面は年間で2.14㎜上昇したが、’13年から’22年には2倍以上の4.72㎜も上がったという。原因は大雨だけではない。氷河融解(ゆうかい)も一因だ。 「北極や南極の氷も大量に溶け、海に流出しているんです。スイス・アルプス山脈の氷河は過去2年間で体積の10%を失いました。年間で最大50mのペースで縮小しているとか。一方で熱波による干ばつ被害も甚大です。スペインやコロンビアでは湖や池が干上がり、深刻な水不足を招いています」(同前) 前出の立花教授が警鐘を鳴らす。 「極端な猛暑では大火災も心配です。カナダやロシア、スペインなどでは大規模な森林火災が起きています。今夏は日本でも起きる可能性があります。急激な温暖化により、昨年あたりから世界の気候がガラリと変わってしまった。このままでは異常気象が日常的になってしまいます。食い止めるには、二酸化炭素を急いで減らさなければなりません。悠長なことを言っていられない。温暖化は、人類にとって待ったなしの問題なんです」 かつてない速度で進む温暖化。地球は後戻りできない状態になりつつある。 『FRIDAY』2024年5月31日号より
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