アクセルとブレーキ「踏み間違い」事故…年間3000件以上発生 防止装置義務化へ
■踏み間違い防止装置を検証
踏み間違い防止装置とはどのようなものなのか。 取り付けられた車を操作すると、アクセルを目いっぱい踏み込み“ベタ踏み”にしても車は急加速せず、スピードは時速7キロほどに抑えられている。また、車内には大きな警告音が鳴り響き赤いランプが点滅。踏み間違いを知らせる。 バックでも同じように急加速しない。さらに、警告音がなっている間はアクセルを何回踏んでも加速しない。 駐車場の“タイヤ止め”に乗り上げようとすると、乗り上げずに止まった。 この車両に取り付けられた装置は、カー用品店などで「後付け」できるタイプで、2009年の発売から6万台以上出荷している。車種にもよるが、大手カー用品店では4万円程度で取り付けできるという。 サン自動車工業 瀬戸光輝さん 「(Q.取り付けるのは、どういう方が多い?)圧倒的に高齢の方。次いで、免許取りたての方。皆様が新車を購入できれば幸せなんでしょうけれども、後付け3万円プラスアルファで安心安全が手に入ると思っていただければ、より一層こういった悲惨な事故を未然に防ぐことができるんじゃないかなと考えております」 現在、国内のメーカーでは、すでに踏み間違い防止の機能が搭載されている車も多く、周りの障害物をレーダーなどで検知するタイプもある。
■高齢者講習に密着
安全装置の技術が進歩する一方で、肝心なのはドライバーの運転技術だ。 先月29日、千葉県内の自動車教習所には多くの高齢ドライバーが高齢者講習に訪れていた。 運転歴60年の85歳の女性は、ほぼ毎日運転しているというが、一時停止の標識がある交差点でそのまま前進。停車したのは車体が半分以上停止線を越えてからだ。 さらに注意を受けた直後も、ゆっくりと左折しながらセンターラインを大きくはみ出している。 遠方への運転は控えているが、日常生活で車は手放せないという。 運転歴60年 85歳女性 「お買い物とか病院通いですね。やっぱり荷物が多かったりすると、両手に持っては大変なので、年が年ですし」 相次ぐ「踏み間違い」の事故については実感がわかないという。 85歳女性 「(ドライバーが)ブレーキとアクセルを間違うというのも不思議でしょうがない」 スピード違反で「運転技能検査」を受けに来たという80歳の男性は、左右の指さし確認はしたものの、目の前の赤信号を見落とす大きなミスをした。 「運転技能検査」を受けに来た 80歳男性 「(若い時と比べ)足なんかでも。とっさの動作が利かないんじゃないかと思いますね」 体の衰えは自覚しているというが…。 80歳男性 「免許証返納とかはまだ考えていないですね」 「段差の乗り上げ」に挑戦した70代女性は、危うくオレンジ色のポールに突っ込みそうになる。その距離わずか10センチほど。足元を見ると、最初は慎重にアクセルを踏むが、段差の途中でいったん離すと車が後退。とっさにアクセルを強く踏み込み、車は急発進した。 細やかなアクセル操作に苦心する高齢ドライバーたち。中には事故を回避する「安全装置」が作動した経験のある受講者もいた。 「安全装置」が作動 72歳女性 「車間距離を取りなさいとか(スピードを)ぐーって抑える機能があって1、2回それが働いたことがある。パニクっちゃうことあるじゃない。自分がそうならないとは言い切れないから。(踏み間違い防止機能は)もしかしたらあったほうがいいのかな」 (「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年7月2日放送分より)
テレビ朝日