自然保護と安全確保を 長野県売木村 散策者に周知する掲示板設置
長野県売木村は2日、村内の「茶臼山自然園アテビ平小鳥の森」入り口に設置した掲示板をお披露目した。森を散策する観光客に守ってほしいルールを周知することで自然を保護し、各所に設置した案内板と合わせて事故や遭難の防止を図る。 アテビ平小鳥の森は、茶臼山の標高1200メートルの東山麓に広がる原生林。一帯は長野、愛知、静岡の3県にまたがる天竜川奥三河国定公園に指定されており、オオルリ、コマドリなど約60種類の野鳥や多種多様な動植物が生息している。 近年は休憩施設の休止、遊歩道の老朽化など維持管理が課題になっていたが、村は昨年3月、包括連携協定を結んでいる「ミダック」グループ(浜松市)など4者で「アテビ平小鳥の森環境・生物多様性保全協議会」を設立。森の整備やガイドウオークの開催などに取り組み始めた。 掲示板と案内板の設置には昨年度の県地域発元気づくり支援金を活用した。掲示板には「動植物をとらない」「野生動物に餌を与えない」など、自然公園を散策する上でのマナーをまとめた県環境部制作のチラシを掲示。季節ごとに観察できる動植物や協議会主催のイベントなどについても発信している。 案内板は公園内の10カ所に設置。順路を示す矢印に加え、それぞれAからHまでのアルファベットを記し、地図と合わせて現在地を把握しやすくした。 この日のお披露目には清水秀樹村長と構成団体の代表らが出席し、清水村長は「森の荒廃が懸念されていた中で協議会が立ち上がった。再び多くの人が集まる場所になることを願いたい」とあいさつ。ミダックから村産業課に出向中の平尾繁忠さんは「安全に森の散策を楽しんでもらえれば」と期待した。 同協議会は本年度、野鳥の保護を目的にした巣箱の設置、森を測量してより正確な地図の制作などに取り組む他、県自然保護レンジャーや日本野鳥の会所属の講師によるガイドウオーク、バードウオッチングを毎月1回開催していく。