南海トラフ地震、知っておきたいこと
飯田:M6.8を超える地震が想定震源域の中で起こった場合には、南海トラフ地震の評価検討会が、開かれるということになっていますが、これはシステムとして決まっている? 福山:一定の線引きが必要になりますので、まずM6.8の地震が起こったら、緊急で気象庁の評価検討会というものが開催されて、それで起こった地震について専門家交えて評価します。その結果、防災対応をとるべきような規模なのか(検討する)。その基準がまた別途あります。とにかく調査を始めるっていう基準がM6.8となります。 飯田:その調査の結果、やはり大きな地震が起こる可能性が高いぞ、となった場合には、また別途いろいろ対応がある…… 福山:そうですね、「巨大地震警戒」あとは「巨大地震注意」というものがあります。それに応じた防災対応を国全体でしっかり取る、という体制になっています。
宮崎:直下型地震というのは、どちらかというと偶発性が高くて、事前に地震が来るということを察知するのは大変難しいんだけど、プレート型っていうのはいろんな前兆現象が起こるので、ある程度予見できるんじゃないかというふうに見られている。いずれにしても、南海トラフ沿いでは、M8~9クラスの巨大地震が、今後30年間に発生する確率が平常時でも、70%~80%ということなので、(首都機能を)分散化するとか、移転するとか、バックアップシティを作るとか、っていうことを考えたらどうなのか。 飯田:南海トラフの範囲っていうのは、相当広いんですよね? 福山:範囲としては非常に広くて、東の端は静岡県駿河湾。南は宮崎県の沖合・日向灘まで。 宮崎:工業地帯だってずっとあるわけでしょ? それが巨大な津波によって襲われるということを考えると、私はもっと生産拠点を分散させた方がいいと思うんですけどね。 飯田:政府や企業の拠点(というだけではなく)、1人1人の備えというのも必要になる。その辺も含め話し合うきっかけにしていただければと思います。