県勢40年ぶりの8強へ 鳥取城北の挑戦 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第7日の26日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦があり、鳥取城北が東海大相模(神奈川)と対戦。鳥取県勢として第53回大会(1981年)で4強入りした倉吉北以来、40年ぶりのベスト8進出を目指す。冬の冷たい雨や豪雪、人口最少など多くの「逆境」を抱える山陰の雄が夢舞台で存在感を示せるか――。 鳥取城北は20日の1回戦で、21世紀枠の三島南(静岡)に6―2で逆転勝ち。1勝の難しさを痛感していた甲子園で、センバツ初勝利を挙げた。山木博之監督は「簡単には勝てない場所。かみ締めながら校歌を聴いた」としみじみと語った。 甲子園では春夏通算3回目の出場だった2012年夏に初勝利を挙げたものの、その後は5連敗。18年夏に龍谷大平安(京都)に2―3、20年夏の交流試合は明徳義塾(高知)に5―6と、直近の2試合はサヨナラ負けで涙をのんだ。 都道府県別で見ると、鳥取県勢として春は08年の八頭以来13年ぶりの勝利。00年を最後に白星がない佐賀県に続いて、2番目に長いトンネルを抜けた。 同じ山陰の島根県も春は09年以来、勝利から遠ざかる。「鳥取、島根と当たったら『ラッキー』」。そんなイメージを何とか打破しようと、09年から母校を率いる山木監督はもがいてきた。鳥取県は人口が全国最少で、島根県は2番目に少ない。北海道や東北に劣らず、山陰も冬場の降雪や悪天候は有名だ。環境というハンディを抱える中、「甲子園では打てないと勝てない」と練習の8割を打撃に費やすなどして鍛えてきた。山木監督は「小さくても野球王国と呼ばれる高知県のようになりたい」と、目標に掲げるのは日本一だ。【田中将隆】