車掌、思い込みで非常停止せず 吉川駅で男性転落死、JR東日本
埼玉県吉川市のJR武蔵野線吉川駅のホームで昨年6月、男性会社員=当時(46)=が列車とホームの間から線路に落ちて死亡した。車掌は、黄色い点字ブロックの線路側に男性がいるのに気付いていたが、列車からすぐに離れると思い込んで非常停止させなかった。共同通信が入手した内部資料で15日、分かった。 【図】鉄道で「L空間」と呼ばれる危険な場所
資料はJR東日本の「乗務員チームニュース」で、乗務員に不備などがあった場合に内部で注意喚起するための文書。 埼玉県警吉川署によると、昨年6月3日午後10時15分ごろ、上り普通列車が発車する際、ホームから転落した男性が列車と衝突。搬送先で死亡が確認された。 JR東の説明によると、車掌は発車直前、閉まるドアに駆け込もうとする男性を確認したが、ドアへの人の接触を感知する装置が反応せず閉扉したため発車させた。しかし男性はよろめきながら再び列車に近づいて接触、転倒して列車とホームの隙間に転落した。同社は国土交通省関東運輸局に「酔客による事故」と報告した。 JR東は取材に「乗務員は法令や内規に違反していない」と回答した。