今日から追いつける、放送中の秋ドラマの中で「見終わると元気になる」おすすめ3本をピックアップ
今年の秋ドラマ、「毎日にちょっとしんどさを感じ、でもそれに負けていない人たち」の話に、なぜか心ひかれます。おすすめのドラマを三つ集めてみました。 【写真】椿(松下洸平)の言葉に感動の声<いちばんすきな花> ■『いちばんすきな花』(フジテレビ) 教室で先生に「二人組作って」と言われた時の恐怖 、今でも覚えています。誰かと「ふたり」になるのはとても難しいと感じるのに、世間一般ではどうやらとても簡単らしい。そのしんどさをよく知っている、誰かと「ふたり」になれない4人が、偶然が重なった末に、とあるテーブルに「自分の席」を見つけた喜び。うらやましい、あんな友だちが欲しい。でも、彼らはあのテーブルにこれからもずっと座っていられるのでしょうか。不穏な予感に心がざわざわしています。 ■『セクシー田中さん』 (日本テレビ) 昼は地味なOLの田中さんが、夜は妖艶なベリーダンサーになるドラマ。セクシー系コメディかなーと思って見始めたら、全然違う。見えない世間のルールに縛られている男女が、そこから解き放たれていくお話な気がします。 周りの人に「変わってる」と敬遠され、友だちも彼氏もできたことがないアラフォーの田中さん。そんな彼女のベリーダンスを偶然見てファンになった同僚の朱里。愛され女子を目指して息苦しさにもがいていた朱里が、生き生きと踊る田中さんを見て、はっきりと自分の気持ちを伝えるようになっていく姿、応援しちゃいます。どう見られたいか計算ばかりして自分の心に蓋をしてると、いつかその開け方を忘れちゃいそうですよね。 ■『ゆりあ先生の赤い糸』 (テレビ朝日) 結婚して20年の夫がホテルで倒れたと連絡を受けたゆりあ。一緒にいたのは「夫の彼氏」だった。それだけでも衝撃的なのに「夫をパパと呼ぶ子どもたち」と「夫の愛人らしき女」まで登場。ゆりあの赤い糸は、夫と繋がっているのか、いないのか。確かめたくても夫は昏睡状態で、会話もできない。義理の家族は頼りにならず、ゆりあは「彼氏」「愛人」と一緒に、夫の介護をすることに。 とんでもない物語の中に、「自宅での介護」「配偶者の家族との関わり」など、「現代の問題」がぎゅっと詰め込まれていて、でも重くない。すべてを引き受けて、かっこよく生きていく決意をしたゆりあだけど、苦しさや辛さを分かち合える人は必要ですよね……どうなるんだろう。 「コタツがない家」(日本テレビ)、「きのう何食べた? season2」(テレビ東京)なども、大小のしんどさをなんとか明るくやり過ごしていくドラマで、見終わるとちょっと元気になります。それにしても、おもしろいドラマは時間が被りがちですねえ。録画やTVerなどの配信でがんばって追いかけてます。 ■文・イラスト/渡辺裕子