いつも必ず“いい音楽”に出合える場所。/松丸契
東京で出合える「いい音」、僕にとってそれは、新しい発見をもたらしてくれる“音楽と空間”です。ヘアサロン『TANGRAM』は、周囲からも尊敬を集めるDJの坂本龍彦さんがオーナーで、彼が収集する珍しいLPが聴けます。音楽のイベントもたまにやっている。髪を切るだけでなく、面白い音楽体験ができます。『hako gallery』にも展示やイベントなどをめがけてよく足を運びます。多種多様な人が出入りしていて、ライブハウスにはない柔軟性がいいですね。店長の榎本善明さん本人が一番楽しそうで信頼感があるんです。音響の“体験”でいうなら『RITTOR BASE』。最新設備で、実験的なライブやLPの試聴会をやっています。音に包まれるような没入感は新鮮です。 ぼくと服と東京の暮らし。
1. hako gallery @代々木上原
1階がアートギャラリー、2階がイベントスペースで、写真や絵の展示、飲食店のポップアップが行われることも。ライブでは即興メインのハイレベルな演奏を至近距離で体感することができる。撮影時は松丸さんがここを知るきっかけとなったドラマー山本達久さんのライブの日で、演者を囲むように席が配置された。バイオリンの弓を使ってシンバルを鳴らしたり、交通量の多い道路の環境音が流れたり、独創的な即興音楽に観客は釘付けに。
2. TANGRAM @代々木公園
9年目を迎えた山手通り沿いの美容院。’70~’80年代の世界各国の実験音楽や、マニアックな自主制作盤を中心に、坂本さんが20年以上収集しているLPは激レア揃いだ。撮影時の選曲は豪ポストパンクシーンの先駆け、デイヴィッド・チェスワースによる電子音楽を収録した1stアルバム『50 Synthesizer Greats』。「什器や本のセレクトにも坂本さんの視点があり、こだわりが一つの線になっている。音楽以外からも刺激を受けています」