豊洲市場「駐車場足りない」「通行できない車両も」業者からヒアリング
築地市場の豊洲への移転問題で、東京都が設置した市場問題プロジェクトチーム(PT)は15日、築地市場内で市場関係者へのヒアリングを実施した。豊洲市場の施設の機能や安全性について、業者らが口々に問題点を指摘した。
参加した市場関係者は46人。築地市場協会の伊藤裕康会長は「7街区(水産卸売場棟)は、物の出入り窓口であるバースの数が不足しており、特に1階は圧倒的に足りない」と指摘。代わりに駐車場を使わざるを得ないとして、「バースを増やすのが無理ならば、6街区(水産仲卸売場棟)並に駐車場へ屋根をかけてほしい。これは最低限のお願いだ」と要望した。 卸売業者や仲卸業者から仕入れる買出し人の男性も、買出し人用の駐車場が足りないと悲鳴。築地に荷物を運搬するトラック事業者は、水産仲卸売場棟と水産卸売場棟の連絡通路に3.5メートルの高さ制限のある場所があるため、通行できない車両があると注意を促した。 豊洲への移転可否も含め、結論を早急に出すよう求める声も。市場内の飲食業者は、「すべて都の言う通りに進めてきたにもかかわらず、移転にストップがかかった。(移転は)ダメなのか、可能性が高いのか、引っ越すならばいつなのか。われわれ業者は先が見えないと計画が立てられない」と訴えた。 一方で、ある仲卸業者からは「(豊洲市場が)結果的に大丈夫になったので行ってくれ、と言われた時、本当にそれで商売をやっていけるのか」と不安ものぞかせた。 ヒアリング終了後、同PTの小島敏郎座長(青山学院大学教授、弁護士)は、「実際に(豊洲市場を)使う事業者の意見が聞けた。われわれは数字やデータで検討しているので、多いに参考になる」と引き取った。 (取材・文:具志堅浩二)