札幌で民生委員30年三上嵩男さん(下) 「社会奉仕の精神」次に伝えたい
来年、制度創設100周年を迎える「民生委員制度」。札幌市円山地区で30年に渡り、民生委員を続けてきた中央区民生委員・児童委員協議会会長の三上嵩男(たかお)さんにその日々を振り返ってもらいました。
「社会奉仕の精神」が大切
民生委員になるには資格は必要ありませんが、年齢要件だけが課されています。任期は3年で、新任者は満30歳以上満72歳未満、再任者は満30歳以上満75歳未満。45歳の時から民生委員を続けてきた三上さんは今年で75歳になるため、11月いっぱいの任期をもって定年・引退することになりました。 「私は保険代理店を経営しているのですが、民生委員になったときはサラリーマンから独立しようかどうかというタイミングでした。周りからの応援もあり民生委員を続けてきて、6年間中央区の会長を務めてきました。」(三上さん) 三上さんが「何度も読み返している」という『民生委員・児童委員ハンドブック』の最初には「社会奉仕の精神」という文字が書かれています。 「民生委員は地域の方々に信頼されてこそ、なんです。今年12月1日に改選を予定しているのですが、『民生委員になりたい』という方は減ってきています。しかし、地域に奉仕する精神を持っていれば、何事にも代えがたい喜びを得られます」と三上さん。
これから民生委員になる人に伝えたいこと
三上さんは11月いっぱいで民生委員の任期を終えますが、30年の民生委員生活から次世代の委員に伝えたいこと。「本当に優しい気持ちを持って、困っている人に接してあげてほしい。困っている人に声を掛け、話を聞くということは難しいことではありますが、続けているとどうすれば解決できるかが自然に身についてくる」と、いいます。 「そのような体験をしながら、ハンドブックを何度も読み返し勉強を続けて、質の向上を目指してほしいと思っています。円山地区で民生委員を続けている人は、月に何度この話を聞かされているか。来年民生委員制度は100周年を迎えますが、質を向上することで200年も300年も続く制度として残っていくでしょう。私も安心して暮らしていける制度として、頑張ってもらいたいですね」 (ライター・橋場了吾)