【ボクシング】那須川天心、世界王者ロード「3年計画」最終イヤー初戦は前世界王者モロニー戦
ボクシングWBOアジア・パシフィック・バンタム級王者那須川天心(26=帝拳)が25年2月24日、東京・有明アリーナで前WBO世界同級王者ジェーソン・モロニー(33=オーストラリア)との同級10回戦に臨むと27日、発表された。プロ転向から6戦目で世界王座獲得経験者と初めて拳を交える。同興行はWBA世界同級王者堤聖也(29=角海老宝石)が元世界王者の同級7位比嘉大吾(29=志成)との初防衛戦、WBC世界同級王者中谷潤人(26=M・T)も3度目防衛戦に臨むという「バンタム級ウォーズ」興行となる。 ◇ ◇ ◇ 都内のホテルで会見した那須川は、より気を引き締めていた。20年10月に井上尚弥(31)に7回KO負け、今年5月に武居由樹(28=ともに大橋)に判定負けしている前WBO王者のモロニーが転向6戦目の相手だ。那須川は「試合前から知っている対戦選手は初めて。世の中にも知られている。自分の本当の実力がモロに分かる」と、ほど良い緊張感を漂わせた。 自らで選択した相手だ。対戦候補5人でモロニー1択だったという。那須川は「チャレンジだと思うし、ボクシングに対しての挑戦表明でもある。生半可な気持ちでやっていないことを分かってもらえると。自分の実力が本物か偽物かがわかる時。自分の中でも久びさの感覚ですごい楽しみ」とテンションを上げた。 同じくキック出身の武居との将来的な対戦が期待されており、モロニー戦の結果と内容が比較されることは十分、承知している。那須川は「モロニーと対戦した他の日本人と比べられる。それとの戦いでもある。客観的に見て比べられると思うし、そのものさしで計るのはファンは楽しいと。そこに対する勝負だと思う。実力を全部出して圧倒的な勝利を目指したい。もちろんKOは狙いにいく」と強調した。 23年4月のボクシング初戦から世界王者ロード「3年計画」の最終イヤーが来年となる。「対世界」を25年のテーマを掲げた那須川は「やっと世界ベルトが徐々に見えてきたと思うし、この試合は絶対に落とせない。25年1発目、革命ののろしを上げる」と言葉に力を込めた。【藤中栄二】