シソンヌ長谷川、ロバート秋山ら、俳優として評価される“コント師”たち

　シソンヌの長谷川忍は、『虎に翼』（2024年前期／NHK総合）に『おむすび』（2024年後期／NHK総合）にと、今年の朝ドラに2作連続での出演を果たしているし、ロバートの秋山竜次は大河ドラマ『光る君へ』（NHK総合）で重要人物を貫禄たっぷりに演じている。さらに、ラバーガールの飛永翼は、2021年にはじまった『ベイビーわるきゅーれ』シリーズにレギュラーとして出演中だ。もちろんほかにもたくさんいるのだが、挙げはじめるとキリがないのでこれくらいにしておこう。コント師たちとは、映画やドラマの物語のある瞬間を、パッと輝かせてくれる存在なのだ。 　しかし、しかしだ、映画で主演を務めるというのは話が違う。主演というのは、その作品の顔となり、看板を背負うことだ。完成品を観てみなければわからないが、『死に損なった男』における水川は、おそらく出ずっぱりなのだろう。ということはつまり、瞬発力が持ち味の演技ではなく、持久力のある演技が求められることになるはず。『トウキョウソナタ』（2008年）や『散歩する侵略者』（2017年）などの黒沢清監督作などにも出演しているアンジャッシュの児嶋一哉などがこのタイプで、筆者は演技派の「お笑い芸人」として真っ先に彼を思い浮かべる。 　水川かたまりの演技者としてのポテンシャルが開花すれば、映画やドラマで目にする機会がグンと増えるに違いない。