【LiLiCoのこの映画、埋もらさせちゃダメ!】何事も自分ごとと思って行動することが大切と再認識しました『渇愛の果て、』
今回も抜群に面白いし、高齢化社会の日本だからこそみんなに観てもらいたい
さて、もう1作品は『お終活 再春!人生ラプソディ』。2021年に公開された『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』の第2弾です。 金婚式を無事迎えたシニア夫婦の千賀子と真一、ひとり娘の亜矢から成る3人家族の大原家。亜矢の結婚も決まり、大原家には幸せな空気が流れていました。千賀子は昔とった杵柄のコーラスのレッスンを再開し、ステージに立つことも決まりかけていたそんなある日、真一に認知症の疑いが発覚。千賀子のステージ、真一の認知症、トラブル続きの大原家はどうなるのか!? 前作が想像していた以上に面白かったことをあちこちで紹介しましたが、言ってみるもんですね。まさかの私も出演させていただいております(笑)。 私が演じたのは、高畑淳子さん演じる千賀子のコーラス仲間のひとり、理佳子。藤吉久美子さんが演じた咲江と増子倭文江さんが演じた信子とともに、千賀子のコーラスパートのシーンに出ています。びっくりしたのは、まさかの本当に歌うとは……という歌唱シーン。高畑さんも含め、みんな本当に歌ってるんですよ!(笑) さて、作品の話。今回も抜群に面白いし、高齢化社会の日本だからこそみんなに観てもらいたいコメディに仕上がってます。日本の今のシニア夫婦の典型中の典型だろう、という夫婦が大原家だとすると、こういう問題は当たり前にあるんだろうな……とも思いますし、なにはともあれ“男”はいざというときに頼りない存在、ということをまざまざと映し出すんですよ。 橋爪功さんが演じた真一は、おそらくあの世代の平均的な夫像だし男性像だと思うんですが、とにかく頑固で上から目線。人の気持ちに立つことがほぼないことで、どれだけ損しているか、お分かりになるかと思いますよ。 あ、前作は観ていなくても大丈夫(この作品を観た後ででもチェックしてね)。安心して楽しんでくださいね。 (C)野生児童 (C)2024「お終活 再春!」製作委員会 取材・文:よしひろまさみち 撮影:源賀津己 『渇愛の果て、』 上映中 『お終活 再春!人生ラプソディ』 5月31日(金)公開 ■LiLiCoプロフィール 1970年11月16日、スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、芸能界へ。01年からTBS『王様のブランチ』に映画コメンテーターとして出演するほか、女優、ナレーター、エッセイの執筆など幅広く活躍。