〔NY外為〕円上昇、一時155円台後半=約1カ月ぶり高値(15日午前)
【ニューヨーク時事】15日午前のニューヨーク外国為替市場では、米消費者物価指数(CPI)がおおむね市場予想通りとなったことを受けて円買い・ドル売りが加速し、円相場は一時1ドル=155円93銭付近まで上昇した。これは昨年12月中旬以来1カ月ぶりの高値。午前9時50分現在は156円20~30銭と、前日午後5時(157円91銭~158円01銭)比1円71銭の大幅な円高・ドル安。 米労働省が朝方発表した2024年12月の米CPIは、前年同月比2.9%上昇(前月2.7%上昇)となり、伸びは3カ月連続で拡大。ただ、上昇率は市場予想(ロイター通信調べ)と一致した。インフレ圧力の根強さが示唆されたものの、想定内の結果を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の利下げ期待が維持されたため、米長期金利の低下。円を買ってドルを売る動きが活発化している。 海外市場では、植田和男日銀総裁の発言を受け、日銀が23、24両日開催の金融政策決定会合で追加利上げを決定するとの観測が広がり、円買い・ドル売り地合いが強まっていた。植田日銀総裁は15日、全国地方銀行協会の会合で「来週の決定会合では利上げを行うかどうかについて議論し、判断する」と発言。前日の氷見野良三副総裁と同様に、政策変更を視野に本格的な討議を行う考えを明らかにした。 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0330~0340ドル(前日午後5時は1.0303~0313ドル)、対円では同161円50~60銭(同162円75~85銭)と、1円25銭の大幅な円高・ユーロ安。