【巨人】井上温大、高3夏に敗れた「悔しい思い出ばかり」の球場で好投3勝目「いい思い出に」
<巨人6-1中日>◇3日◇上毛新聞敷島 巨人井上温大投手(23)が自己最長8回を5安打無失点で3勝目を挙げた。中5日で迎えた群馬・前橋での凱旋(がいせん)登板。先頭打者に出塁を許したのは8回の1度だけ。前橋商3年夏は県大会決勝で敗れたマウンドで好投し「悔しい思い出ばかりだったが、いい思い出に切り替えられた」とお立ち台からの景色をかみしめた。 【写真】ぐんまちゃん(右端)らと笑顔で記念撮影する巨人井上温大 感覚だけに頼らず、明確なデータで好投につなげた。今季から相手の1番から9番までの攻略プランをノートに記している。ストライクゾーンを9分割し、相手打者の特徴と、得意、苦手なコースを手書きで記入。まずは自分でプランを立ててから捕手、スタッフと話し合ってマウンドに向かう。「去年はデータが頭に浮かぶのはあまりなかったが、今は特徴を思い出して抑えられる」。お手製の“温大ノート”をベンチに持ち込み、イニング間にも再確認している。 ブルペンでの投球練習でも「バッター、カリステ」「カウント3-2低めフォーク」などと宣言し、本番をイメージする。今季は新習慣として毎日、ブルペンで約15メートルのキャッチボールを行い、傾斜で投げる感覚を染み込ませる。 昨季はイースタン・リーグで7勝0敗、防御率0・75と無双した一方で、1軍は0勝1敗の防御率10・95だった。“2軍エース”から1軍ローテに食い込んできた。能力を結果に直結させるロジカルが確立してきた。涙に暮れた5年前から大きな成長の跡を示した。【上田悠太】 ▽巨人阿部監督(先発井上が8回無失点の好投)「素晴らしいピッチングでした。どこ行っても地元だと思って投げてもらいたいね」