「余命わずか」と診断された愛犬に雪景色を見せるため…孤独な男とラブラドールがバイクで旅をする 「チャーリー」を採点!
〈あらすじ〉
南インドのマイスール。工場に勤務するダルマ(ラクシット・シェッティ)は過去の悲劇をきっかけに、周囲との関わりを避けて孤独に生きてきた。楽しみは酒と煙草、チャーリー・チャップリンの映画鑑賞だけ。 そんなダルマの家に、悪徳ブリーダーのもとから逃げ出してきたラブラドールの子犬が住みつく。「チャーリー」と名付けた、そのやんちゃな子犬に振り回されながらも楽しい日々を送るにつれて、ダルマは周囲の人に優しくなっていく。 ある日、チャーリーががんで余命わずかと診断される。雪が大好きなチャーリーに本物の雪景色を見せるために、ダルマはサイドカーに愛犬を乗せて、ヒマラヤへ向かう。
〈解説〉
犬と人間の絆を描くロードムービー。脚本も手掛けたキランラージ・Kの長編監督デビュー作。164分。 中野翠(コラムニスト)★★★★☆インドの田舎から都会までを駆けめぐるオリコウわんちゃん! 笑いあり涙あり? くどい音楽も苦にならず。犬好きは必見! 芝山幹郎(翻訳家)★★★☆☆犬の愛くるしさにほだされかけるが、これはやはり人工甘味料。撮らなくてよい場面や、言わなくてよい台詞が多すぎる。 斎藤綾子(作家)★★★★★職場と部屋と買い食いと、頑固な独居男の無愛想な日常が他人事に思えず。心の垢を涙で洗い流す出会いと道行に感動。 森直人(映画評論家)★★★☆☆ロードムービーとして起動するまでの長さに閉口したが、後半の風景の移動に心が躍った。チャップリン愛が微笑ましい。 洞口依子(女優)★★★☆☆言語がなくても理解できる一風変わった動物映画と思いきや超直球な生き物との絵巻図。啓蒙的アプローチも好ましい。 INFORMATIONアイコンチャーリー(印) 6月28日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開 https://777charlie-movie.com/
「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年7月4日号
【関連記事】
- 嫌われ者の教師、反抗的な生徒、1人息子を亡くした料理長…3人だけで過ごす2週間の“居残り”休暇 「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」を採点!
- 直木賞作家・荻原浩の“鬼の涙腺”がゆるんだ「いま観るべき映画」 英国青年はナチスから子どもたちを救おうと奔走するが…
- 「どんな育ちをしたって、100歳になればひとりぼっちですよ」佐藤愛子が“わがままに生きる”理由【草笛光子で映画化】
- 「叫ばせたかった」ライフルを携えて、クマを撃つために2人だけで山へ…若いマタギがクマ狩りにこだわった理由は
- フェラーリでレース場走行は「1秒でも気を抜けば死に直面すると思った」 演技派アダム・ドライバーの<命がけの役作り>