死んだクジラから龍涎香『シャネル5番の原料』見つかる可能性も?!田島木綿子氏が解剖のひみつ語る マッコウクジラきょう引き上げ
――去年死んだ「淀ちゃん」は海底に沈めました。今回のクジラは埋設する方針になりました。国立科学博物館の研究主幹、田島木綿子さんは、今回の判断をどうみていますか。 【画像を見る】大包丁と小包丁を使って・・・クジラ解剖で何わかる?淀ちゃんは46歳だった (国立科学博物館 田島木綿子研究主幹)私達にとっても皆さんにとっても非常に嬉しい決断ではないかと思います。その死に報いるためには、そのまま埋設してしまうより、「なぜ死んでしまったのか」とか、「クジラの生きざま」が学術調査でわかることがありますので、やはり調査して埋設、その後、骨格標本が地元の博物館に収蔵されることは非常にいいことではないかなと思います。 ――死んだクジラは岸壁に係留されていて、22日に引き上げられます。映像や写真を見て、田島先生は今の状態をどのように判断されますか。 ちょっと我々が考えていたのより、小さめかな、と思い始めています。最初は15mサイズの「ヨドさん」と同じぐらいかなと思ってたんですが。胸びれを見ていただくと、ちょっとバンザイを始めているのがわかります。私達はこのバンザイの角度で、中にどれだけガスが溜まっているか、また腐敗が始まっているかを判断するんですけれども、すでに中にガスが溜まっていて、やはり一刻も早く調査したいというのは、いまの映像から判断しています。
「体内にガスがたまると爆発するんじゃないか」
――「体内にガスがたまると爆発するんじゃないか」という話がありましたが、そこはどうなんですか。 (国立科学博物館 田島木綿子研究主幹)マッコウクジラが一番爆発の恐れがある種なので、そういう意味では我々としても懸念しています。我々はなぜ、「淀ちゃんジュニア」がここに迷い込んでしまったのかという原因を知りたいところですし、やはり生物として、マッコウクジラとか海の哺乳類を知りたいということです。 ――陸に引き上げる作業は、まずクレーン船で持ち上げて、トレーラーに乗せて移動させる、そして陸上のクレーンを使って調査・埋設の場所に降ろすという順。田島先生が担当される調査は、いわゆる「クジラの司法解剖」。まず油圧ショベルを使うんですね。