楽しく熱く! 7 MEN 侍のホールツアー、ゲネプロに潜入
全国8か所46公演で約11万人を動員する初の全国ホールツアーを開催中の7 MEN 侍。7月29日(月)にTOKYO DOME CITY HALLを皮切りに始まったツアーの初日の公演直前に行われたゲネプロ公演を一部ネタバレありでレポートします。 【画像】全国ホールツアーが始まった7 MEN 侍、東京公演のゲネプロを特別にルポ!
初の全国ホールツアーで勝負の夏に挑む7 MEN 侍のコンセプトはJOY!
この夏、グループとしてステージに立つ熱い勝負の日々を過ごしている7 MEN 侍。初めての全国ホールツアーと同時期の9月4日(水)からは東京・新橋演舞場でグループ単独主演する舞台『MASSARA』も始まるという絶好調ぶりだ。ファンと触れ合えるステージでの時間を夏から秋にかけて走り抜ける熱き6人の侍スピリットとは? タイトルにもあるAnd JOY=ENJOYの精神でぶつかる彼らの姿は、遊び心たっぷり、本気で楽しむ姿勢が眩しい。 独特な世界観の言葉遊びがユニークなあおりナンバー「B4N4N4」から始まったライブ。この曲は、彼らのオリジナル曲で矢花黎さん作詞作曲、ラップ詞を本髙克樹さんが担当した読解が何難解なリリックが面白い曲だ。「クラップハンズ!」と本髙さんが声をあげると手拍子で応戦する会場。序盤はオリジナル曲「サイレン ~Hot Night ~ Chaos killer」の3曲のマッシュアップメドレーで畳みかけ、疾走感たっぷりにボルテージをアップさせていく。 ここでメンバーから最初の挨拶が。「こんにちは~! 元気ですか~?」と矢花さんがゲネプロに集まった取材陣に呼びかけ、「本日はゲネプロにお越しいただき、ありがとうございます。この調子で頑張っていきますので、皆さんいい写真といい記事をお願いします」と、一礼。 続いて菅田琳寧さんは「いらっしゃいませ~、いらっしゃいませ。7 MENの公演に暑い中来ていただき、ありがとうございます。これから2週間近く、暑い中(この会場で)素晴らしいライブを作り上げていきたいと思いますので、皆さんもお力添えよろしくお願いします」。 今野大輝さんは「僕ら2週間、ケガと体調には気を付けるので、応援よろしくお願いします」、「どぅもぉ~! 佐々木大光です」と満面の笑顔で元気に自己紹介した佐々木大光さんは、「皆さん、盛り上がっていますか? 記者だからと言って、すましていちゃダメよ(笑)」とユーモアたっぷりに盛り上げる。 本髙さんも「皆さんお手元にもしかしたら、セトリがあるかもしれませんが、そんなことを忘れさせるくらい皆さんのことを盛り上げていきたいと思っていますので、本日よろしくお願いします!」とゲネプロならではの挨拶を。 中村さんは「どうも、1000年に一度のアイドル、中村嶺亜です! さぁ、皆さん、夏バテしていませんか? まだまだいけますか? 今日は最高の思い出作っていきましょう。めちゃくちゃ声出してください」と会場を無敵のアイドルスマイルであおる。 先輩の楽曲をピックアップしたバンド演奏の後、それぞれのソロ曲披露も。菅田さんは、両手でマイクを握りしめながら、“笑顔になってほしい”というメッセージソングを。今野さんは、ソファに横たわりながら色気たっぷりなパフォーマンスで魅せる楽曲を選曲。佐々木さんは、キラキラ輝く黒ジャケットにミラーボールが照らされる中、スタイリッシュなダンスで会場を魅了。 矢花さんソロはパワフルでのびやかな歌声とヘッドバンキングで“矢花ワールド”全開な自作曲を披露。スタンドマイクでシャウトするロックな姿は、とにかくド迫力で圧倒されるものが。 そして、例年通り、ソロでキラキラアイドルぶりを魅せつけたのは中村さん。自作の少女漫画がスクリーンに映し出される中、可愛らしいしぐさが光るダンスを。しっとりピアノ演奏でラップを歌う時とは、またひと味違う甘いバラードを届けたのは、本髙さん。七人七様のソロ曲で、それぞれの個性が丸わかりだ。 注目コーナーは、3組に分かれてコンビで届ける日替わり曲。ゲネプロでは、今野さんと矢花さんによる「本音と建前」を披露。椎名林檎さんが紡ぐ世界観をふたりがクールに歌いあげる姿は、どこか妖艶で色っぽさがある雰囲気が漂う。他の2組も一体どんなパフォーマンスを繰り広げるのか期待が高まる。 今回のライブで「アスパラベーコン」と「足跡」の2曲がグループのオリジナル曲に仲間入り。MCタイムでは、この曲について解説。矢花さんが作曲、菅田さんが作詞を手掛けたこの曲は、「アスパラベーコン」のコール&レスポンスが楽しい楽曲に仕上がっており、彼らのユーモアセンスに思わず脱帽してしまう曲。おふざけ曲を1曲自分たちで作りたいという話になり、彼らがYouTubeなどであいさつ代わりに発してきた“アスパラベーコン”というワードを最近あまり使用してないという話から、生まれた曲だという。「アスパラベーコン」を歌う前の曲ふり映像は、矢花さんが制作。強烈なインパクトを放つお遊び曲が誕生した。 ゲネプロ時のMCは、「何を話していいのか分からない」と、戸惑い気味の6人だったが、中村さんが途中で仕切り直し…。「さぁ、今日からツアーが始まります。去年までみたいに『サマーパラダイス』ではないのか。『and JOY!』ですね。今回ライブタイトルを決めるのに時間がかかって…」とタイトル決めに難航したことを打ち明けていた。“どんぐり”や“ゾンビ”案もあったそうで、「さすがにちょっとふざけすぎだろうってなるのを恐れて、やっぱり一緒に楽しみたいねっていうことで、and JOYで“エンジョイ”にしました」(中村さん)。 本髙さんは「何よりも今回、舞台セットがやばいよね」と中村さんが一部デザインしたというサイバーパンクな世界をモチーフにしたいステージセットも注目という。去年に続いて、自分たちで作った部分も多かったと昨年から衣裳デザインやセットデザイン、オリジナル曲、演出など、自分たち発信で生み出せるものが増えたと話していた。 後半戦は、会場中をメンバーが走り回り、ファンの目の前で歌う夏の名曲メドレーで会場を熱くする。夏気分を盛り上げる爽やかな曲から、お祭りソング、夏の夕暮れに聴きたくなるしっとりバラードなど、ここにくれば夏を存分に楽しめる曲が勢ぞろい。ラストパートは、オリジナル曲をバンドでエネルギッシュに演奏して届けた。 そして、ラストに中村さんが「こうして今日、初日を迎えることができます。これからもどうか僕たちを温かく見守ってください。今回のライブの新たな新曲です。聞いて下さい、『足跡』」と曲ふりして、本公演が初披露となる新曲へ。6人が横一列に並んで、ときに胸に手をあてながら、目を閉じながら、しっとりと心を込めて歌ったバラード。踏み出す一歩があしたを変えると歌うまっすぐな歌声は、仲間たちと歩んできたこれまでの道程とこれからの未来を祝福するような希望に溢れるものだった。 ゲネプロ終了後は、会見で初日に向けての意気込みを語った6人。現在はツアーと並行して、舞台「MASSARA」の稽古の真っただ中ということで、ハードスケジュールに追われているそう。ライブと舞台と重なる期間もあるとのことで、「どっかがまっさらになっちゃう、みたいな(笑)」と佐々木さんが舞台タイトルにかけて笑わせると。「俺ら、頭がカタくて。こんがらがりそう(笑)。でも、逆にモチベーションとコンディションを保ちつつ、駆け抜けられそうなので、7 MEN 侍、絶好調ですね」と頼もしい中村さん。 レポーターさんから、体力を保つ秘訣を尋ねられると、体力には自信がある菅田さんは、「嶺亜、琳寧、大光で舞台稽古終わりにジムで走りこんだり、腹筋トレーニングをしたりしています。結構、やっていて。だから、おかげ様で全然疲れないんですよ」と、胸を張る。 本髙さんは「名前が外されて、ビックリしましたけど、僕も(ジムへ)行ってますよ。あまり結果が出てないのかな?(笑)」と慌てると、「“行ってる”って言っても、あまり説得力ない。体形が…(笑)」と、メンバーたちからいじられ、「行っているんですけど、その分、食べちゃって相殺されているのかなぁ」と苦笑い。 健康管理については、「常にマスクをつけて通し稽古をやっていて。あとは、やっぱり睡眠ですね。必ず7時間眠るっていうのを意識しています」と鍛えるよりも身体を休めることに重きを置いているという今野さん。 矢花さんは「僕は翌日以降のスケジュールを見ないようにしています。体調が悪くなるので。ちゃんと目の前のことをこなすようにしています。毎日、精一杯です(笑)」。そう話す矢花さんだが、ソロ曲「I Know.」でのパワフルさは見る者誰もが目をみはるほど。メンバーからもソロ曲がすごかったことを褒められると、「あれは、もう明日のスケジュールを見なければ、皆さんも全然できます」と謙遜モード。 それぞれ今回のツアーで見てほしいところを語る場面では、「僕はソロ曲の映像の編集だったり、ゲーム演出に登場するメンバーのドット画を描いたり、オープニング映像も作ったり。メンバーのこだわりが詰まっているステージなので、そこも見て、聴いて、楽しんでいただきたいです。どこを矢花がやったのか想像しながら、全部エンジョイしてもらえたら嬉しいです」と矢花さん。 本髙さんは、「菊池風磨くんのソロ曲『But…』の演出を僕が担当しました。曲の特性として、同じシークエンスで流れているような、同じループで曲が構成されているっていうところから発想をもらいました。サイバーパンクの世界観に合わせて、新しい形で我々のスタイルでお伝えできたと思います」。 中村さんは、「ソロで二宮(和也)くんの『秘密』をやらせてもらっていて、後ろに流れる少女漫画の映像の画を全部、僕が描いています。今回はセットの一度のデザインのほか、僕たちが着ている新衣装も、僕が絵で描いてデザインさせてもらいました。そういったデザインは視覚的に楽しめると思うので、嶺亜がやったんだって、見てもらえると嬉しいです」というコメントからデザイン力と絵の才能もあふれていることを再確認。 ソロパートでドラムパフォーマンスを披露している佐々木さんは、「今回“デライザー”という新しい装置を使いました。ドラムセットの下にある器具で、これは先輩から代々受け継がれている機構です。僕たちも昔、舞台で使用したので、今回また使いたいなって言ったんですよ。そうしたら、自動で回せるということだったので、使っているんですけど…、僕は“デライザー”で回ってない(笑)」。 菅田さんは、「今回、セットは廃工場やサイバーパンク風で過去から未来みたいな感じ作られています。昭和から令和を感じられるように昔の曲から今の曲も歌っていて。セットリストは、過去にやったものもあれば、最近やったもの、新しく見られる曲もあり、7 MEN 侍のヒストリーが見られるライブを楽しんでいただけたら嬉しいです」とセットリストについて説明。 今野さんは、「やっぱりソロ曲がみどころですけど、今回『and JOY!』を作るにあたって、みどころなんだろうなって考えたときに、全編を通してみどころだな、と。なので、1秒も瞬きせず見ていただきたいです」と自信をもって届けられるステージになったと話していた。 もちろん新曲もみどころで、バラード曲に挑戦した「足跡」については、「日々の皆さんの生活の中でこの曲が響いたらいいなという思いで作りました」とその想いを明かすメンバーたち。 菅田さんは、「私情になっちゃうんですけど、ちょっとうちの猫が弱っていて…。だから、自分はその猫ちゃんに『今までありがとう。今日1日頑張るね』っていう思いで歌っていました」と愛猫との「足跡」を振り返っていたと告白。この話に「猫のことを想っていたんだと思ったら、ちょっとビックリ…。人それぞれなんだなぁって」と本髙さんしみじみすると、「どうせ食べ物のことしか考えてないだろ(笑)」と、いじられ、「誰が食べ物や!!」とツッコミ返す、わちゃわちゃな場面も。 最後に中村さんが「東京公演は 1か月近くやらせてもらいます。そして、全国ツアーをまわりながら、『MASSARA』の舞台に挑みます。ハードスケジュールに聞こえますけど、いつも支えてくれる大好きな皆さんに会える機会がたくさんある、幸せな期間だと思っているので、この1公演1公演、毎回100%、120%と記録更新していって、これが終わる頃にはもう最強の7 MEN侍になれたらなと思っています。この夏は僕たちと一緒に秋までかけて、イチャイチャ楽しくやっていきましょう!」と締めくくり、充実した表情を覗かせる。 ここから7 MEN 侍がand JOY(ENJOY)しながら進む日々の一歩一歩が彼らの未来を創り上げる大きな一歩に――。彼らの勝負の夏は、まだまだ始まったばかりだ。
写真・くさかべまき 取材、文・福田恵子