【還暦を迎えられた皇后雅子さま ご成婚秘話】「雅子さんのことは、僕が一生全力でお守りします」皇太子殿下からのプロポーズは鴨場のデートで
自分自身も『いい人生だった』と振り返れるように
その中で、雅子さまの心を動かされたのは、浩宮さまからの、 「皇室に入られるには、いろいろな不安や心配がおありでしょうけれども、雅子さんのことは僕が一生、全力でお守りしますから」 という言葉だったといいます。 雅子さまの心は揺れました。外務省でやりがいのある仕事を任されている雅子さまは、その仕事をやめるべきかどうか悩まれたのです。新しい決心をするまでには、十分に考える時間が必要でした。 12月12日、浩宮さまと雅子さまは東宮御所でお会いになりました。そこで雅子さまは、こう問われました。 「ほんとうに私でよろしいのでしょうか」 「はい、そうです」 と、浩宮さま。雅子さまは心を決められました。 「私がもし殿下のお力になれるのであれば、慎んでお受けしたいと存じます。これまで殿下にはいろいろ大変幸せに思えること、うれしいと思えるようなことも言っていただきましたので、その殿下のお言葉を信じてこれから二人でやっていけたらと思います。お受けいたしますからには、殿下にお幸せになっていただけるように、そして、私自身も自分で『いい人生だった』と振り返れるような人生にできますように努力したいと思います。至らないところも多いと思いますが、どうぞよろしくお願いします」 雅子さまは、たくさんの浩宮さまの言葉を胸にご結婚されたのです。そして、その約束通り、浩宮さまは雅子さまを全力で守られているのです。 ~~~~~~~~~~ 参考文献/『新しい時代とともに ――天皇皇后両陛下の歩み』(宮内庁侍従職特別協力、毎日新聞社)、『美智子皇后「みのりの秋」』(渡辺みどり著、文春文庫)、『美智子皇后と雅子妃 新たなる旅立ち』(渡辺みどり著、講談社)、宮内庁ホームページ キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。 バナー写真/JMPA 構成・文/高木香織 編集/立原由華里
高木 香織