【ワシントン＝大内清】11月の米大統領選まで約1カ月半に迫り、民主党のハリス副大統領（59）と共和党のトランプ前大統領（78）の資金集め競争が熾烈（しれつ）さを増している。米メディアが伝えた連邦選管当局の集計（8月末時点）では、ハリス陣営は手持ち資金が約2億3500万ドル（約336億円）で、トランプ陣営の約1億3000万ドル（約186億円）をリード。両陣営は大量の資金が必要となる選挙戦最終盤に向けた態勢を整えるのに躍起だ。 ブルームバーグ通信によると、ハリス氏が8月に使った選挙資金は1日平均で約750万ドルに上り、トランプ氏の約3倍に達した。7月下旬にバイデン大統領が選挙戦から撤退したのを受けて民主党の候補者となったハリス氏が短期間で劣勢を挽回した一因には、テレビCMやネット広告への資金の集中投下がある。 ハリス氏の資金面での優位は、調達額にもあらわれている。民主党とハリス陣営が集めた資金は8月だけで3億6000万ドルを超し、同時期のトランプ氏の約1億3000万ドルを大きく上回った。 ハリス氏には、支持者からの少額献金に加え、東部ニューヨークのウォール街や西部カリフォルニア州のシリコンバレーを拠点とする経営者層からの資金が流入しているもようだ。陣営は、9月10日のトランプ氏との初の討論会後の24時間で関連団体も含めて4700万ドルを集めたと発表。ハリス氏は22日にもニューヨークで資金集めイベントを開き、2700万ドルを集めた。 これに対しトランプ氏も、一部の銀行家や、X（旧ツイッター）を保有するイーロン・マスク氏ら有力経営者の後押しを得て追随。10月初めには南部テキサス州で、カジノ経営者や石油産業関係者などを集めた会合を開き、さらなる資金調達を図る計画とされる。