「アンメット」で大絶賛された「若葉竜也」が話題沸騰 “テレビ嫌い”を公言する孤高の俳優の素顔
■週刊誌からは「令和のエリカ様」 ドラマのスタートに合わせて朝の情報番組に番組宣伝のため出演した際、笑顔を一切、見せなかったこともありSNSで「無愛想だった」などの声があがり、一部週刊誌は“令和のエリカ様”と呼んで批判したが、あれは偽らざる若葉の素顔だったのかもしれない。というのも、若葉は自ら「バラエティー番組の出演に興味がないし、向いていない」と公言しているのだ(「with digital」2024年4月12日配信)。同インタビューでは、「美味しくなかったものを『美味しかった』とか、面白くなかったものを『面白かった』とは言いたくない」とも語っている。別の情報番組での番宣出演では、杉咲が「無愛想に見えるかもしれないんですけど、めちゃくちゃ優しいんです。これが通常運転なんです」とフォローしていたが、それが若葉のキャラなのだろう。 一方、若葉の経歴はかなり変わっている。大衆演芸一家に生まれ、幼い頃から舞台に立っていたからだ。 「わずか1歳で初舞台を踏み、一座では『チビ玉3兄弟』の3男として注目され、テレビのドキュメンタリー企画で特集をされたこともあります。学校は1カ月で転校することが多く、友達ができず、好奇な目で見られることが多いと語っていましたね。兄弟の中で、稽古も役者の仕事も一番嫌いだったとも話していて、“いい芝居”というのが何なのかもわからずに怒られたりしていたので、いつもいら立ちみたいなものを抱えていたそうです。そんな彼の転機となったのが、2016年に公開された映画『葛城事件』だといいます。無差別殺傷事件を起こす次男役での鬼気迫る迫真の演技は各所で高く評価され、TAMA映画賞の最優秀新進男優賞を受賞しました。以降、映画『愛がなんだ』、『罪の声』、『市子』など、リアルを追求した高い演技力で数多くの作品に出演し、存在感を発揮しています」(映画ライター)
■次の出演は9月公開の映画 次に若葉を見られるのは、9月公開予定の映画「ぼくのお日さま」になりそうだ。池松壮亮が演じる元フィギュアスケート選手のコーチの恋人役という気になる役どころで、彼がどう演じるのか興味深い。 エンターテイメントジャーナリストの中村裕一氏は、若葉に多くの人がひかれる理由をこう分析する。 「媚びない真摯な演技、リアルでナチュラルな表情から醸し出される“孤高感”は、同年代の俳優の中でも群を抜いています。良い意味で異質な、群像劇のなかでも埋没しない特異な個性を持っており、同じような俳優はなかなか見当たりません。彼が醸し出す孤高な雰囲気は、幼い頃から厳しい大衆演劇の世界に触れていたこととも無縁ではないでしょう。すでに映画で独自のポジションを確立しつつあるだけに、今回の『アンメット』をきっかけに今後テレビドラマに立て続けに出演するようなことはほぼないとは思いますが、それとは反比例して彼の姿をドラマで見たい、と願う視聴者の需要は大いに高まっていくでしょう。ジャンルでいえば、時代劇や犯罪史などの実録モノといったリアルなタイプの作品や、丁寧かつ骨太なドラマ作りに定評があるNHK『ドラマ10』やNHK BSのプレミアムドラマ枠などへの出演でその姿を見たいですね」 民放ドラマでもまた若葉の演技は見られるのだろうか。期待して待ちたい。 (高梨歩)
高梨歩