「住民の温かさ」が決め手に 「行くべき52カ所」で推薦記事 米作家のモドさんが市長と対談【山口】
米有力紙ニューヨーク・タイムズの特集「今年行くべき52カ所」で山口市を推薦する記事を書いた作家のクレイグ・モドさん(43)が26日、山口市天花1丁目の市菜香亭で伊藤和貴市長と対談した。「これまで日本各地を巡ってきたが、住民の優しさは一番。京都にも負けない魅力を持っている」と語った。 モドさんは日本に24年間在住し、各地を訪れ、その経験をまとめた著書や写真集を出版してきた。2020年に初めて山口市を訪れ「いいまちだ」との印象を持った。翌年も3泊4日で市内を巡り、その魅力に夢中になり「いつか紹介したい」と思っていたという。 選出理由として住民の温かさを熱弁。「古き良き街並みがあっても主役は住民。山口の人たちの温かさを感じ、それが一番響いた」と語った。商店街があり、個人の店が元気で散歩がしやすく、歴史と自然にも恵まれていながら、あまり知られていないところもポイントだったと述べた。 伊藤市長は「都会と田舎の中間にある地方都市の魅力に光を当てた」と記事を評価。モドさんは「少子化、高齢化が世界的な傾向の中で生活の質が高い市を訪れることはどんな人生を送りたいかを考えるきっかけになる。海外の人が山口での生活を経験することで、このまちの文化や価値観を自国に持ち帰りたいと思うのでは」と伝えた。 市民へのメッセ―ジを求められると「住んでいると良さが見えないかもしれないが、山口市はいいまちだと信じて。進学で市を離れる若い人が戻ってくる手段を考え、魅力的な個人の店をはじめ文化や歴史を手渡していけるようサポートしてほしい」と訴えた。 この日は県政資料館で村岡嗣政知事とも対談した。