山本由伸が2敗目を喫した原因とは 勝ち試合との「歴然」の差を高橋尚成氏が分析
◆米大リーグ レッズ4―1ドジャース(26日・米オハイオ州シンシナティ=グレートアメリカンボールパーク) ドジャースの山本由伸投手(25)が敵地レッズ戦に登板し、5回を投げ8奪三振も6安打2四球で4失点。3月21日の韓国でのデビュー戦(対パドレス)以来の黒星で2敗目(5勝)を喫した。 * * * * 3回の4失点で敗戦投手となった山本。いい当たりではないタイムリー2本による失点だが、不運で片付けるわけにはいかない。気になったのは変化球の多さ。100球中、直球は37球でカーブは34球。勝った5試合は直球が投球全体の39%、カーブが22%だったから、歴然だ。 変化球主体で投げていると、ピンチでどうしてもかわすピッチングになる。気持ちが前に出にくい。逆にストレートで押していくと、ガンガン前向きになり、ギアを上げやすくなる。2本のタイムリーは、いずれも打ち取ったかのように見えたが、安打になったのは攻め込んでいないからだった。 メジャーでは想像もしないことが起こる。この日は試合開始が1時間半前倒し。レッズとは敵地でこの3連戦しかなく、絶対に開催したい事情から時間変更までされたわけだ。日本でなら確実に中止だっただろう。 もともとエース気質の山本。チームが今季ワースト4連敗中で雨も心配される中、早くうまく攻めないと、との思いから、打たせて取ろうと変化球主体にしたのかもしれない。とはいえ、初回の先頭打者を見逃し三振に抑えた直球は良かった。やはり「基本はストレート」で攻めるべきだったのではないか。(野球評論家・高橋 尚成)
報知新聞社