中日・田中幹也、連敗止めた先制2点適時打 「このチャンスしかない」自分とチームを救った殊勲打
◇30日 中日3―0DeNA(バンテリンドームナゴヤ) 中日は30日のDeNA戦(バンテリンドームナゴヤ)に3―0で快勝し、連敗を3で止めた。0―0の7回に田中幹也内野手(23)の先制2点適時打とオルランド・カリステ内野手(32)の適時二塁打で3点を挙げ、連続試合2得点以下を10でストップ。5投手の継投で零封した。苦しんだ6月を白星で締め、反攻の7月に向かう。 自分を、そしてチームを救った。二塁へ滑り込むと、右の拳を握り締め、ほえた。均衡を破り、チームの連敗を止める殊勲打。二塁上で竜党の大歓声を受けていたのは、田中だ。「このチャンスしかないと思っていた。決められてよかった」 両チーム無得点の7回2死二、三塁。「真っすぐに自信がある投手。真っすぐだけ待っていた」とカウント1―1からDeNA・徳山の真ん中低めの148キロをコンパクトに振り抜く。ライナーで中前へと運ぶ先制の2点適時打だ。この一打をきっかけに11試合ぶりの3得点。1956年に記録した球団ワーストの11試合連続2得点以下に並ぶ寸前で止めてみせた。 ただ、ヒーローインタビューでは本音がポロリ。「皆さんは『代打出せよ』と思ったはず。期待に応えられてよかった」。7回までは先発・ケイのカットボールにてこずり無安打。「ノー感じ過ぎた。僕も『代打出してくれ』と思ったくらい」と明かして場内を沸かせた。 ファンの前では笑い事で済ませたが、内心は弱気。リーグ戦再開前の月間打率は1割4分3厘だ。交流戦で対戦したパ・リーグの速球投手に対応しようとするあまり、振りが大きくなる。11日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)で左翼席へ放った2号2ランも歯車を狂わせた。 うまくいかない時は目移りするもの。リーグ戦が再開した21日の広島戦(バンテリン)。田中のバットは毎打席違っていた。普段は白木のメープル製だが、この時はホワイトアッシュ製の黒とツートン(白と黒)を使用。理由は「村松が使っていたので」。5月上旬に球団タイ記録の8打席連続安打を放ったドラフト同期をまねしてみた。「何かきっかけがほしくて」。結局メープルに戻したが、出口を求めてもがいていた。
中日スポーツ