Travis Japan、レベルアップを続ける7人が圧巻のパフォーマンス トラジャ担と最高のJUST DANCE!を体現<ライブリポート>
12月20日に“初CD”となる1stアルバム『Road to A』をリリースしたTravis Japanが、全国アリーナツアー「Travis Japan Concert Tour 2024 “Road to Authenticity”」を1月4日の神奈川・横浜アリーナからスタートさせた。ツアータイトルの“Authenticity”は「信ぴょう性、信頼性、真正性、本物・真実であること」の意味で、総合演出はメンバーの川島如恵留が担当。“エンターテイメントの真髄”を追い求めるグループの姿勢や、1stアルバムに込めた“噓偽りのないTavis Japanの全て”を全身全霊で体現してみせた。 【写真】アンコール後は大人っぽいアースカラーのスポーティー衣装を纏ったTravis Japan ■「横アリ、騒げー!!」巨大ゴンドラからのメンバー登場にファン熱狂 3月まで続くツアーの記念すべき初日だけあって、客入れ中の会場は既に期待と熱気で充満。開演10分前になると、同日正午より公式YouTubeにて公開されたStatement CM「世界中の心を踊らせよう、ここ日本から」がモニターに流れ、7人の最新映像をファンは食い入るように見つめる。その後、高揚感を煽る音楽とレーザーが会場を包み、オープニングは地上6m50cmの高さの巨大ゴンドラから7人が一列で登場! ダンスナンバー「DRIVIN’ME CRAZY」で勢いよくライブの幕が開き、川島の第一声「横アリ、騒げー!!」で客席は熱狂の渦と化した。 ジュニア時代から愛される代表曲「夢のHollywood」の英語ver.「My Dreamy Hollywood」やデビュー曲「JUST DANCE!」など、序盤から豪華ナンバーで畳み掛ける1stブロックは、アリーナ席後方まで動くムービングステージが必見。観客の頭上を通過するステージの上でも“攻撃”の手は一切緩めないダンスで魅了し、紹介ラップ「Unique Tigers」はファン参加型のコール&レスポンスでボルテージが最高潮に。個性豊かなソロパフォーマンスでつなぐブロックでは松田元太が「しんがきんねーん!(※謹賀新年)」と叫び、直後の松倉海斗も同様のワードを。“松松”コンビらしい微笑ましいシンクロに笑いが起こっていた。 2ndブロックはゴールドのスーツで登場し、ブロードウェイを彷彿とさせる煌びやかなステージで圧倒。傾斜30度の巨大LEDスロープから登場した7人は、ステッキパフォーマンス&タップダンスを織り交ぜながら「夢のHollywood」を届ける。2023年のツアーでも登場した虎モチーフのトラッコ(トロッコ)は、メンバーそれぞれのスタイルでお色直しされてパワーアップ。ファンタジックな世界観の「Keep On Smiling」では1人1台のトラッコに乗った7人がアリーナ席を駆け抜け、「Charging!」「Talk it! Make it!」はスタンド席にも姿を現し、ファンと急接近する時間を楽しんだ。 ■書き初めの一文字は”周”!! 記者会見で2024年の抱負を語る MCでは七五三掛龍也が「ファンのみんなに伝えたいことがある」と切り出し、「俺たち、CDデビューしたよー!!」と報告。その表情に、彼らと共に走ってきた“トラジャ担”の胸にも熱いものが込み上げる。グループの抱負を書き初めで発表するコーナーでは、松田が力強くしたためた「周」の字を公開。「このツアーをちゃんと走り切りたいし、今後、いろんな国、いろんな場所で自分たちの夢が叶えられたらいいなと」(松田)と想いを明かした。 3rdブロックはグループ初のユニット曲を3曲連続で披露。まずは松田と松倉が自ら作詞作曲した「Bro:)」だ。向かい合い、ギターを抱えてスタンバイした2人は、長年の歴史と絆を込めたナンバーを時に笑顔で歌い上げる。“松松”の尊さがついに“曲”という形になり、初めてパフォーマンスされたスペシャルな瞬間――。幼い日の2ショット写真がモニターに映ると、客席からは言葉にならないような歓喜の声が漏れた。2番手は宮近海斗と川島による「Day off」。2人が作詞したこの曲は、彼らのリアルな想いのよう見えるが、角度を変えると全ての人にも当てはまるようなメッセージソング。明るく爽やかなダンスも胸を掴む。モニターには歌唱に合わせて直筆の歌詞が映し出され、柔らかいハーモニーに背中をそっと押される気持ちになったのは筆者だけではないはずだ。最後は、中村海人・七五三掛・吉澤閑也によるダンスチューン「Paranoia」。七五三掛と吉澤が振り付け、中村がプロデュースを担当したパフォーマンスは、今まで見たことのないセクシーかつ妖艶な3人にクギヅケ。ダンスや表情はもちろん、後ろのモニターに流れる本人出演のリップシンク映像も凝っていて、この曲に対する気合が感じられた。 ■ダンスナンバーで畳み掛ける圧巻の4thブロック Kis-My-Ft2の千賀健永が手掛けたスポーティーな衣装で登場したのは、最終の4thブロック。ラストスパートはTravis Japanの真骨頂と言える怒涛のダンスナンバーで畳み掛ける。激しいレーザービームに息を呑む「Moving Pieces」、スモーク演出の「99 PERCENT」、豪快な火柱で沸かせた「Love Tag」など、ダイナミックな特効を存分に使ったステージは圧巻。また、そのド派手演出に1ミリも負けず、むしろ華麗に乗りこなすような7人の息もつかせぬパフォーマンスに思わず涙が出そうになった。 本編ラストは1stアルバムのリード曲「LEVEL UP」を遊び心ある映像演出と共に届け、宮近が「俺たち、引き続き“レベルアップ”した姿を見せていくのでよろしくお願いします!」と呼びかけて終了。アンコールの日替わり曲(この日は「JUST DANCE!」)では海外アーティストのライブでも行われているスマホ撮影OKのパフォーマンスが用意され、海外での活動を意識したTravis Japanならではのうれしいお土産をファンに届けたのだった。 2023年のデビューツアー「THE SHOW~ただいま、おかえり~」は、まさに“ただいま”と“おかえり”の心が交差する空気感の中で行われた。それを経た今回は、2年目の進化と深化、さらには真価も打ち出すような頼もしい内容に。彼らのエンターテイメントの軸であるダンスは完成度とタフさにますます磨きがかり、一瞬たりともメンバー不在の瞬間を生まないよう緻密に計算されたステージングはファンへの愛以外の何物でもない。2022年はデビュー、2023年はCDリリースという“念願”を1つずつファンとかなえているTravis Japan。夢と覚悟を持って進む“Road to Authenticity”には、この先も規格外の景色が待っているに違いない。 ■取材・文=川倉由起子