武居が死闘を制した

　9月3日（火）東京・有明アリーナにて行われた[WBO世界バンタム級タイトルマッチ 12回戦]では、同級王者の武居由樹（大橋）が挑戦者で同級1位の比嘉大吾（志成）に3-0（115-112、114-113×2）の判定勝利。ダウンを奪われる場面もあったが、比嘉との死闘を制し初防衛に成功した。 【フォト】この死闘、武居ダウンの瞬間 　武居は今年5月、WBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニーに挑戦すると、3-0判定勝利。プロボクシング9戦目で世界王座を戴冠した。 　挑戦者の比嘉は元WBC世界フライ級王者で15戦連続KO勝利という日本記録を持つハードパンチャーで、前戦は昨年大晦日ナワーポン・ソー・ルンヴィサイにKO勝利している。 　試合は1R、武居が長いリードジャブを突くのに対し、比嘉はフルガードで時折、飛び込んで両拳を振り回す。 　2R、近距離での打ち合い。武居の左ボディに合わせ、比嘉の左フックがヒット、武居が左ボディを返すが、比嘉が再び左フックを連発！武居のアゴが上がる。終盤、武居が左アッパーから右フックをヒットさせる。 　3R、比嘉の入りに合わせて武居が右アッパーを続けてヒット。武居が比嘉をコーナに追い込むも、比嘉が左カウンターを当てる。終盤、武居が右アッパーから右フックを当てる。 　4R、比嘉が右オーバーハンドを当て武居がグラつくと、ロープ際で比嘉がラッシュ。武居も応戦するが、ダウンしないまでも、左右フックのビッグヒットを許してしまう。 　5R、圧力を強める比嘉に対し、武居はジャブとサークリングでカウンター狙い。左右アッパーを巧みに放ち比嘉の突進を止める。 　6R、ガードを固めながら突進する比嘉。左右フックを振り回すが、武居は冷静に対処。頭を下げながら前に出る比嘉の顔面にアッパーを当て続ける。 　7R、ジャブで比嘉を突き放し、強引に比嘉が入るとアッパーを当てる武居。被弾し続ける比嘉の顔が腫れ始める。 　8R、フルガードで懐に入る比嘉だが、そのタイミングを待ち構えたように武居がショートのコンビネーション。終盤、比嘉が身体をぶつけながら打ち合いを仕掛けるも、武居に上手くいなされる。 　9R、比嘉が強引に身体を預けながら、ロープを背にする武居に左右フックをヒット。武居もアッパーをねじ込んだが、比嘉のラッシュに武居が押された印象。 　10R、武居のアッパーと比嘉のフックが相打ち、武居の動きが少し止まる。比嘉の左ジャブが当たり始め、残り1分を切ったところで、比嘉が武居をコーナーに追い込む場面も。有効打で武居が左目上をカットする。 　11R、比嘉の左フックを被弾しグラつく武居。武居は右目が見えないか、比嘉のジャブをもらい続ける。終盤、比嘉の右フックをもらいグラつく武居。続け様の左フックで武居がダウン。すぐに立ち上がり、スリップだとアピールする武居。ダメージは大きくないようだ。 　最終12R、ダウンを奪われた武居が反撃。比嘉は失速か、武居のラッシュにパンチをもらい続け、手が出ない。武居が前に出続け、アッパーやフックを当てると、比嘉は逃げるかクリンチで、耐え続ける。比嘉をダウンさせることなく終了のゴング。 　判定3-0（115-112、114-113×2）で武居に軍配。ダウンを奪われた武居だったが、僅差の判定で初防衛に成功した。 　武居は勝利マイクで「すみません、自分の中ではこの勝ちに納得ができていない。でも、大吾さんと最高の試合ができて良かったです」とコメント。「比嘉選手は打たれ強くて気持ちも強くて、ガンガン前に出てきて、本当にパンチが強くて、自分がやられたくないことをいっぱいやられて、すごく強いファイターでした」といい、戦ってくれたことへの感謝の気持ちも述べた。 　11Rにダウンしたことについては「あれは自分の中ではダウンかわからないですけど、ダウンと取られてもおかしくない倒れ方をしていたので、自分が悪いです」と振り返り、「大吾さんのお陰で自分はまだまだ上にいけると思うので、感謝しています」と語った。 　最後に、10月にWBOアジアパシフィック・バンタム級王座決定戦でジェルウィン・アシロと戦う那須川天心に対し「頑張ってください。応援してます」とエールを送った。 『Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ 井上尚弥 vs TJドヘニー ＆ 武居由樹 vs 比嘉大吾』 2024年9月3日（火）東京・有明アリーナ ▼セミファイナル　WBO世界バンタム級タイトルマッチ12回戦 ○武居由樹（大橋/WBO世界バンタム級王者） 判定3-0　※115-112、114-113×2 ●比嘉大吾（志成/同級1位） ※武居が初防衛に成功