大谷が両リーグトップの二塁打14本 年間87本ペースは1931年ウェッブのMLB記録「67」を大きく上回る
【ワシントン24日(日本時間25日)=竹濱江利子通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(29)はナショナルズ戦に「2番・DH」で出場し、自身初となる1試合3本の二塁打を放って6打数3安打2打点。11-2の大勝での3連勝に貢献した。両リーグトップの二塁打数を14に伸ばし、シーズン87二塁打ペースとして31年にアール・ウェッブ(レッドソックス)がマークした67本の大リーグ記録更新を照準に捉えた。 3試合連続アーチと思われた白球はわずかに届かなかった。九回2死一、三塁。外角の直球を捉えた打球は左中間フェンスを直撃した。日米を通じて自身初となる1試合3本の二塁打。悠々と二塁に到達した大谷は、両手を挙げて腰をひねる「ヒップロック」ポーズを控えめに披露した。 「段階は進んでいると思う。上に行けば行くほど、(成長の)伸び率は当然下がっていくと思うが、細かい部分はちょっとずつ上がってくるものだと思う」 試合前に取材に応じた大谷が自身の打撃の『進化』について言及した。4月だけで月間自己最多の12本と二塁打を量産している。一回の右中間二塁打の打球速度は115・6マイル(約186キロ)を計測。映像解析システム「スタットキャスト」が導入された2015年以降、ドジャースの選手が放った安打の打球速度のトップ3を独占した。前夜に放った6号は歴代1位の118・7マイル(約191キロ)で「感覚的にも人生の中でトップクラス」と表現した。 2度と破られないとされた「アンタッチャブルレコード」の更新を視野に入れる。八回にも右中間へ適時二塁打を放ち、今季14二塁打はリーグ2位のアルシア(ブレーブス)に5本差をつけ、両リーグ最多を独走する。大リーグ記録は1931年にアール・ウェッブ(レッドソックス)が記録した67本(出場151試合)。26試合で14二塁打の大谷はシーズン87本ペースとなり、92年間破られなかった記録にも手が届く勢いだ。 銀行詐欺の疑いで訴追された元通訳の水原一平容疑者(39)が解雇されてから1カ月以上が経過し、自身も調査を受けるなど精神的に厳しい状況だったシーズン序盤。大谷は一瞬、考えを巡らせ「まだ調査自体は続いているので、まだ全部が終わったわけではもちろんない。それ以上に支えてもらっているし、サポートしてくれている人がたくさんいる。ありがたいと感じる場面が多い」と周囲に感謝した。