北朝鮮戦を前に遠藤航が語るリバプールで得た「自負」と森保ジャパンへの「影響力」…ロングボール対策も万全
「戦略というものは試合の流れ次第で、ある程度の変化がもたらされると思っている。なので、ぜひとも明日の試合の流れ、というものをご覧いただければ」 もっとも、実際に北朝鮮がロングボールを仕掛けてきた際の対処法も、遠藤の頭のなかでは確立されている。言うまでもなくアジアカップの悔しさが糧になっている。 「(ロングボールの)出どころにどれだけプレッシャーをかけられるのか、といった点はみんなとも話している。蹴ってくる相手に対して後ろ向きのプレーを選択し続けてしまうと、おのずと自分たちのゴールに近い場所で相手にプレーされてしまう。全体をコンパクトに保ちながら、攻守両面で前向きなプレーを選択できるかが大事になってくる」 アジアカップでつまずくまでの森保ジャパンは、日本代表の歴代最長記録を更新する国際Aマッチ10連勝をマークした。白星のなかにはカタールW杯の雪辱を期したドイツ代表を、敵地で4-1のスコアで圧倒した昨年9月の一戦も含まれている。 2年後の次回W杯へ向けて右肩上がりの軌跡を再び紡ぐ意味でも、国立競技場で北朝鮮と対峙する一戦は結果だけでなく内容でも上回りたい。遠藤が続ける。 「分析だと相手はかなり激しく来るので、自分たちもしっかりと準備をして、1対1のところで絶対に負けない姿勢は出さなきゃいけない。同時にボールをクレバーに動かす部分も含めて、ホームでしっかりと勝てるように戦っていきたい」 帰国前の一戦だった17日のFAカップ準々決勝で、リバプールは延長戦の末にマンチェスター・ユナイテッドに屈した。120分間フル出場した心身に疲労が残っていない、と言えば嘘になる。それでも遠藤は自らに言い聞かせるように前を向いた。 「そこは言い訳にはしたくないというか、それでもやらなきゃいけない、というのが代表の使命だと思っているので。自分なりにできる準備というのは最大限やっているし、明日までまだまだ時間があるので、しっかりリカバリーしていきたい」 プレミアリーグの経験を還元する、といった類の話ではない。リバプールと同じく代表でもチームの心臓を担い、デュエルを介した激しい守備で、そして縦パスや機を見るに敏な攻め上がりを介した攻撃でも圧倒的な存在感を放つと遠藤は自らに言い聞かせる。 前売り段階で6万枚以上のチケットが売れている国立競技場での一戦を終えれば、37歳の大ベテラン、長友佑都(FC東京)を含めて、今回招集された全選手が経験したことのない北朝鮮の首都・平壌でのアウェイ戦が中4日の26日に待つ。どのような事態に遭遇しようとも前へと進んでいく上で、遠藤の頼れる背中が森保ジャパンの羅針盤となる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)
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