侍ジャパンのプレミア優勝で東京五輪にいい道筋ができた【岡田彰布のそらそうよ】
プレミア12で再確認。日本の投手陣はスゴイわ
投手陣の力と走力は世界に十分通用するのだが東京五輪は24人枠。稲葉監督[右]がどういう選考をしていくか難しい選択となるよな/写真=高原由佳
“実りの秋”になったかどうか。各チーム、秋季キャンプを打ち上げている。関西のスポーツ新聞はやっぱり阪神の話題が独占よ。特に“藤浪(藤浪晋太郎)”の活字がデカいこと。それだけ復活をみんなが期待しているってことなんよね。 野手出身のオレには、投手のことは理解できないところがある。高卒1年目から活躍し、2ケタ勝利も挙げ、極めて順調に成長していると見てたら、突然の変化に見舞われた。ストライクが入らない。死球を出す。マウンドで苦しい顔になる。自分を見失い、同じことの繰り返しよ。あの藤浪に何が起きたのか……。これが1年だけのことではない。気がつけば3年が経過した。ここまで天国から地獄のピッチングになるとは。野手では考えられないことやろうね。それだけ投手はデリケートということか。エースの座がそこにあったのに、今はひたすら元の姿を求めるだけの身だ。 今回の秋季キャンプ、阪神の臨時コーチとして元中日の山本昌氏が招かれた。スポーツ新聞では山本昌による藤浪再生プランが大きく扱われている。新たな発見、新たな刺激になればいいのだが、環境の変化に期待するけど、このトンネルを抜け出すには本人の強い気持ちが重要なんやろな。とにかく試合で結果を求めていくしかない。ボール自体はすばらしいのだ。これを実戦で出し切ること。どこかで吹っ切り、投げて、投げて、答えを出そう。簡単ではないのだろうけど、彼の潜在能力にオレは期待する。 本来なら阪神だけでなく、球界を代表する投手として、日本代表に選ばれるべき男。そういう意味では今回のプレミア12で侍ジャパンは世界一に輝いた。パワーの相手チームに対し、日本の野球で挑み、見事、頂点に立った。原動力はもちろん、“投手力”やった。特に終盤を任された投手陣のピッチングはホレボレするものばかり。わずかな差でも、逃げ切れる迫力ある投球は、ジャパンの最大の武器となった。 これで来年の東京オリンピック、金メダルへの道筋はできたといってもいいわ。しかし・・・
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週刊ベースボール