今季限りで引退のヤクルト・青木宣親にサプライズ演出 試合後に巨人・長野久義、坂本勇人が花束贈呈
ヤクルトは14日、東京ドームでの今季最終戦だった巨人24回戦に4―1で勝利した。前日13日に今季限りでの現役引退を表明した球界野手最年長の青木宣親外野手（42）は、試合後にサプライズ演出として巨人・長野久義外野手（39）、坂本勇人内野手（35）から花束を手渡され、幾多の激戦を繰り広げてきた東京ドームに別れを告げた。 【写真】長野久義、坂本勇人から花束を受け取ったヤクルト・青木宣親 歴代5位の日米通算2723安打を誇る希代のヒットメーカーに、敵地のサプライズが待っていた。東京ドームでの今季最終戦。今季限りでの現役引退を表明した青木は出場選手登録は外れているが1軍に同行しており、試合後に〝セレモニー〟が行われた。 選手、スタッフが外野に整列し、最終戦恒例の左翼席のファンへのあいさつを行った直後だった。大型ビジョンの画面が「東京ヤクルトスワローズ 青木宣親選手 21年間お疲れ様でした 読売巨人軍」と切り替わり、青木の登場曲「BELOVED」（GLAY）が流れた。 驚く青木のもとに、さらにサプライズ。巨人の長野、坂本が花束を持って歩み寄ってきた。マウンド付近で言葉を交わしながら、ガッチリと握手して花束を受け取ると、東京ドームは両軍のファンによる「青木コール」と割れんばかりの拍手に包まれた。多くの野球ファンに愛された男を象徴する光景だった。 坂本は「（2017年の）WBC（ワールド・ベースボール・クラシック）の時に初めて青木さんがどういう人か知った。『こんなに熱い人なんだ』と思ったのが懐かしい。そこから交流もさせてもらって、寂しい気持ちもある。花束を渡せてよかった」と感慨深げだった。 前日13日の引退表明から一夜明け、青木は試合前に09年のWBCで共闘した巨人・阿部監督をはじめ巨人関係者、解説で訪れた先輩の宮本慎也氏、真中満氏（サンケイスポーツ専属評論家）らにあいさつをして回り、丁寧に感謝を伝えた。 ファンの声援に笑顔で応え、球場を後にした青木。球界を代表する安打製造機が、バットを置くまで残りわずか。10月2日には神宮の広島戦で引退試合も控える。「100点満点」と振り返った現役生活。最後まで青木らしく、全うする。（浜浦日向）
