サラリーマンの賃金「2万円弱上がった!」「でも手取りは…」日本人のお給料事情
日本で働く人々の給料事情と暮らしぶりは、上向いているでしょうか? それとも……。厚生労働省『令和5年 賃金引上げ等の実態に関する調査』より、現状を見ていきましょう。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
「賃金引上げ実態調査」上昇傾向は強いものの…
今年の春闘では高い水準での賃上げの流れが広がりました。物価の変動に応じて、毎年度改定のおこなわれる年金額についても、今年は前年から3.2%の増額改定となっています。 ……とはいえ、「自分のお給料事情は何も変わらない」という声はこの物価高の昨今も聞かれます。賃金の現状、世間の実情はどうなっているのでしょうか。 厚生労働省『令和5年 賃金引上げ等の実態に関する調査』によると、「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」と答えた企業の割合は89.1%(前年85.7%)。一方、「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」は0.2%(同0.9%)、「賃金の改定を実施しない」は5.4%(同6.2%)となりました。 業種別に見ていきましょう。「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」と答えた割合が最も多かったのは、「建設業」で99.7%、「製造業」が97.4%と続きます。 一方、「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」と答えた割合が最も多かったのは、「宿泊業,飲食サービス業」で1.1%。全体として低くなっています。 「賃金の改定を実施しない」では「生活関連サービス業、娯楽業」が16.8%と最も高くなっており、「運輸業、郵便業」14.5%、「鉱業、採石業、砂利採取業」13.4%と続きます。 1ヵ月あたりの改定額はいくらなのでしょうか。賃金を引き上げた企業について見てみると、平均賃金の改定額は「9,779円」。賃金を引き下げた企業については、「△4,814円」となっています。それでも全体としては「9,437円」上昇しました。 業種別にみると、最も改定額が高かったのは「鉱業、採石業、砂利採取業」の1万8,507円。「情報通信業」1万5,402円、「建設業」1万2,752円と続きます。最も改定額が低かったのは「医療、福祉」の3,616円でした。