デンマークテニス界は元世界女王のウォズニアッキ（右）以降、有望なプレーヤーが現れなかったが、20歳のルネ（左）の台頭により再び盛り上がりを見せている。（C）Getty Images

　女子テニス元世界ランク１位のキャロライン・ウォズニアッキ（デンマーク／現242位／33歳）が、メキシコのスポーツ番組『TV Azteca Deportes』のインタビューに登場。男子テニス界のニューヒーローとして注目を浴びている同郷のホルガー・ルネ（世界８位／20歳）の活躍ぶりに言及し、「彼がデンマークテニス界の火付け役となることを願っている」と期待の言葉を口にした。 【画像】ウォズニアッキはじめ全米オープン2023で存在感を放つ女子トップ選手の厳選ショットを一挙公開！ 　2018年の全豪オープンでの四大大会初制覇を含め、シングルスでツアー30勝を挙げるなどトッププレーヤーとして名を馳せたウォズニアッキが１度引退して以降は、自国からなかなか有望なプレーヤーが出ず、デンマークテニス界は低迷が続いていた。その状況を救ったのが20年にプロ転向を果たしたルネだ。 　昨年のパリ大会（ATP1000）でマスターズ初優勝を果たしたルネは、20歳とは思えない多彩なプレーを軸にツアー４勝を挙げており、今年８月には世界ランキングでもキャリアハイの４位をマーク。近いうちでの四大大会初優勝にも期待が寄せられている。そんなニューヒーローのポテンシャルの高さをかねてより称賛してきたウォズニアッキは、ルネの台頭を大いに喜んでいるようだ。 　 「これまでテニスの伝統が希薄だった小さな国から出てきて、私が大きな功績を手に入れられた。そして今、自国から若い選手が活躍するところを目の当たりにしているのは、とても素晴らしいと思う」 　さらにウォズニアッキは、ルネがこの先も活躍を続けられれば、自国のテニス界のさらなる発展につながるのではないかと予想。「ここからデンマークの新たなテニスの伝統が始まり、母国から素晴らしいテニスをする子どもたちがもっとたくさん出てくることを願っている」と語った。 　今年８月に約３年７カ月ぶりの現役復帰を遂げたウォズニアッキにとっても、同胞のルネの存在は大きな刺激になっているのだろう。今後は２人で切磋琢磨しながら男女ツアーを盛り上げてほしいところだ。 文●中村光佑