「King Gnu Dome Tour THE GREATEST UNKNOWN at TOKYO DOME」リリース記念! PMC Vol.32よりKing Gnu常田大希(G&Vo)のインタビューを限定公開!
――過去の東京ドーム単独公演とスタジアムツアーをやった上で、さらに今回の5大ドームツアーはどういうものにしようと思っていましたか。 常田 これまでのツアーとかライブって、やっぱり何かの締切があったりして、並行してやらなきゃいけないという状態が、ずっと続いていて。自分の姿勢として、ツアーとかライブに向かうっていう、そこだけにフォーカスしきれなかったなっていう悔いがずっとあったんですよ。制作を朝までやって、そのあとライブとかっていうのは、やっぱり俺的にもね、本意ではないんですよ。今ももちろん、並行して進めていることはあるんだけど、そういうことがないように。今回は、ちゃんとね、いつものリハーサルよりも、かなり多く時間を取りましたし。うん。 ――確かにこのツアー、バンド感が増して、すごくタイトになっているなと思ったんですよね。東京ドーム公演、スタジアムツアーから、バンドの強度がより際立っていて、東京ドームの初日を観たときにもそう思いました。もちろん前のライブもよかったんですけど、すごく変わったなと。 常田 そうですね。俺の実感もそうです。 ――以前、King Gnuのライブスタッフさんの座談会で、「メンバーはリハーサルでスイッチが入るのが遅いけど、本番は決めてくる」というような証言がありましたが(『PMC Vol.25』)、そこは大きく変わったところなんですね。 常田 そうそう。今回、マジで頭からかなり気合いを入れてやってたからね。初めてちゃんとリハしました。 ――初めてちゃんと(笑)。 常田 そう。ちゃんとリハしましたし、練習もしたんですよ。 ――そうだったんですね。今回のギターソロもめちゃくちゃかっこいいと思ったのは練習の成果なんですね。ギターソロすごいなというのもまた、今回のツアーを最初に観たときに思いましたので。 常田 やっぱ、練習しなきゃダメだな(笑)。練習! そういう意味でも今までのツアー、ライブの中で圧倒的にパフォーマンスもクオリティも内容もいいんですよ! ――アルバム『THE GREATEST UNKNOWN』のツアーだったというのも大きいですか。 常田 うん、そう。それもそうですね。 ――ドームツアーの総合演出を務めているOSRIN(PERIMETRON)さんに、ドームツアーの世界観についてはどのように伝えたんでしょうか。 常田 今回はアルバム『THE GREATEST UNKNOWN』という根幹があって、アートワークもOSRINと一緒に作っているので、それをどうライブで聴かせるかっていう感じがとても強かったので、ビジュアル的なものとクオリティの統一感もすごく高くなりますよね。実際、OSRINとは、セットとか結構細かく話しましたけど、曲ごとの演出は一任している感じなので。1回あがってきたものに対して、曲ごとに調整してくっていうくらいだったかな。でも、オープニング映像とかも、やっぱりアルバムにちなんだものでアプローチしていったし。セットリストもかなり、アルバムをどう表現するかという根幹があったので。そういう意味でも、普段以上にかなり考え抜かれたセットリストができたと思います。 ――『THE GREATEST UNKNOWN』は常田さんがアルバムとしての作品性を追求して、既発曲は大胆にアレンジし直したり、相当気合いの入った作品でしたが、そのコンセプトが全体の演出でも表現され、何より、この4人のバンドの説得力がすごかったなと。 常田 過去の東京ドーム公演とかスタジアムツアーとかね、でかい箱での場数によって、あんまりこう、ドームという会場の大きさに対しては、何も感じない身体になっていたので、ドームでやることへの、変な気負いみたいなものはなくて、なんて言うのかな……もっと音楽にフォーカスしたマインドではいれたかな。その中で、より、メンバーのプレイヤーシップ、パフォーマーとしての力っていうのが、かなりね、この1、2年ですごい上がっているので。楽曲を作る側としては、どんな形の曲でも、それぞれの見せ方をちゃんとやってくれる信頼感みたいなものもあるんですよ。そういうのは、アルバムの制作においてもそうだし、ライブにおいてもそう。King Gnuはどんなアルバムを作ったとしても、それをちゃんと咀嚼してのライブアレンジでやれるバンドだから……ライブの勘という部分は昔から強かったけど、それがより盤石になっていると思います。その中で、ちょっとずつね。年々、自分はどう見せるべきかとか、どういうスタンスでいるべきかっていうのは、それぞれ個々でも固まってきたんじゃないですかね。 ――バンドと個々の成長とは、数年の大きいスパンであったと思いますが、お客さんも2022年の東京ドーム公演からすると、一緒に成長してきた感覚はあるのではないですか。明らかに、お客さんの大合唱やノリが、前回のスタジアムツアーとも大きく違う点だったと思います。 常田 そこはバンドの方向性をね、ちゃんと伝えていくというか。どういうライブを自分たちがやりたいと思ってるかっていうのを、ちゃんとお客さん側に共有していく必要があるなって思っていたので。それをね、繰り返しやってきたんですよ。うん。 ――2022年の東京ドーム公演からずっと言い続けていましたよね。 常田 やっぱりコロナで大きく、全てがリセットされちゃったので。コロナ禍にやっていたライブがスタンダードになっていたので。もう1回ね、「どう伝えるのがいいか」とかはバンドでよく話していたんですよ。ドームツアーは全会場、合唱になっていたし、歓声はすごかったですね。