中尾彬さん死去 81歳、「暴れん坊将軍」「GTO」やバラエティー番組で活躍
ドラマ「暴れん坊将軍」「GTO」やバラエティー番組で人気を博した俳優、中尾彬さんが死去したことが22日、分かった。81歳だった。近く所属事務所から正式発表される。渋みのある演技でプレイボーイから悪役まで幅広い役どころで魅了。1978年に再婚した女優、池波志乃(69)とは芸能界きってのおしどり夫婦として知られた。2007年に急性肺炎で緊急入院したことはあったが、昨年11月に故郷、千葉・木更津で報道陣を前に元気な姿を見せていただけに、突然の訃報に関係者は驚いている。 【ツーショット】おしどり夫婦だった中尾彬さん・池上志乃さん夫妻 豪快かつ優しい。そんな言葉がぴったりで、スカーフやマフラーを巻いたスタイルがトレードマーク。美術や料理にも造詣が深かった芸能界の重鎮が突然逝った。 中尾さんは昨年11月に故郷、木更津市のPR大使に再任された際、報道陣を前に元気な姿を見せていた。その際、〝終活〟の一環として美術品のコレクションを同市に寄贈。今年3月に寄贈作品展が同市で開催されたばかりだった。 1942年に同市で生まれた中尾さんは武蔵野美大在学中の62年に日活ニューフェイス第5期生に合格し、芸能界入り。しかし、絵画への思いを捨て切れず翌63年に大学を中退してフランスに留学するも帰国。64年に劇団民藝に入り、映画「月曜日のユカ」で加賀まりこ(80)、「明日は咲こう花咲こう」で吉永小百合(79)の相手役を務めるなど二枚目俳優として注目を浴びた。 70年にフリーになると活躍の場を広げ、映画では75年の「本陣殺人事件」に金田一耕助役で主演し、「極道の妻」「ゴジラ」の両シリーズにも出演。78年からはテレビ朝日系時代劇「暴れん坊将軍」で主人公・将軍吉宗(松平健、70)のライバル、尾張藩主の徳川宗春を演じて当たり役に。 NHK大河ドラマの常連で93年の「炎立つ」で後白河法皇、96年の「秀吉」で柴田勝家、2005年の「義経」で梶原景時、09年の「天地人」では毛利輝元を熱演。主演俳優を際立たせる名バイプレイヤーとして名をはせた。 悪役や憎まれ役は秀逸で、99年のフジテレビ系「GTO」では反町隆史(50)演じる主人公教師・鬼塚英吉をいびる教頭役で存在感を発揮。バラエティー番組でも俳優仲間の江守徹(80)とのコンビでご意見番として活躍した。